〇ニ番目の四季〇
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#422 [ゆり]
「てかメール下さいよ!」
(そいやメアド教えてくれたっけ。)
「…名前は?」
「今更っ?!笑」
「爽やかボーイとしかインプットしてない」
「けいたです。笑
横井慶太。慶太って呼んでください!」
「そっか〜…」
「何がそっか〜なんですか?笑」
「ん〜…」
:06/06/08 22:37 :V703SH :PKNwmvDo
#423 [ゆり]
正直めちゃくちゃ上の空。
だって隼人が来ない。
まだあの子といるの?
何してるの?
「どうしよ…」
「え?何が?」
そう聞かれて
声に出てたんだって気付いた。
:06/06/08 22:39 :V703SH :PKNwmvDo
#424 [ゆり]
「なんでもないよっ
ほら授業始まるから教室行きな〜」
「先輩は〜?」
「あたしは…あたしも行くから!
じゃーね」
小さく手を振って
入り口が気になりながらも
あたしは慶太に背を向けた。
:06/06/08 22:41 :V703SH :PKNwmvDo
#425 [ゆり]
「先輩!連絡待ってまーす」
笑顔でそう言って歩いて行った。
気付けばやたら周りの生徒に注目されてたから
あたしは気まずくて
早足で階段を上り切った。
振り返っても
隼人はいない。
チャイムが鳴るギリギリまで
教室の外で待ってたけど
隼人は来なかった。
:06/06/08 22:42 :V703SH :PKNwmvDo
#426 [ゆり]
「ゆりちゃん今日稲葉は?」
岩田くんが
一人で席に座るあたしに聞く。
あたし達は毎日一緒だから
二人でいないと変なんだね。
あたしも落ち着かないよ。
どうしよう。
また一人ぼっちになったら。
:06/06/08 22:44 :V703SH :PKNwmvDo
#427 [ゆり]
「遅刻じゃないかな〜?」
笑いながら言うと
岩田くんは安心した様な顔で
席に戻って行った。
ブーブー…
メールだ。
あたしは先生に気付かれないように
机の下で静かに携帯を開いた。
隼人からだった。
「ゆりごめん。
今日ちょっと学校行けないかも。
さっきの奴友達なんだけど、いきなり泣き出して話聞く事になって…また詳しく話すから!
心配しないでな、本当こいつとはなんもないから。」
:06/06/09 07:44 :V703SH :S4w5v86Y
#428 [ゆり]
あたしはしばらくそのメールを眺めてた。
なんかあたし見事に傷付いてる。
泣き出したって事は
きっと肩とか抱いて
なぐさめてるんだよね?
こいつとか言うって事は
それだけ親しいんだよね?
心配するしないの次元なんて
とっくに越えてる。
:06/06/09 07:45 :V703SH :S4w5v86Y
#429 [ゆり]
携帯をバックにしまって
あたしは授業に集中しようとした。
ノートが滲みそうになるのを
必死で堪えた。
こんなのばっかり。
隼人はいつも
好きだ好きだって言うけど
結局
あたしの方が好きなんだって
こういう時に思う。
あたしばっかり
こんな事で泣きそうになって
馬鹿みたいじゃん。
どうしたらいいの。
:06/06/09 07:46 :V703SH :S4w5v86Y
#430 [ゆり]
やっと1限の講義が終わり
休み時間になった瞬間
あたしは早足で教室を出た。
途中で友達に話しかけられたけど
上手く受け答えられなくて
そのまま学校を出た。
:06/06/09 07:50 :V703SH :S4w5v86Y
#431 [ゆり]
何かをしようと思ってた訳じゃない。
ただ
隼人がいないから
一人になった気がして
恐くて。
駅までの道を
スピードを落として歩いた。
隼人を見つけたいけど
あの子には会いたくない。
心臓が鳴ってるのが分かった。
でもやっぱり二人の姿はなかった。
:06/06/09 07:51 :V703SH :S4w5v86Y
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