〇ニ番目の四季〇
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#466 [ゆり]
「あ〜お腹いっぱい!ごちそうさま!」
「ごちそうさま〜!」
あたしは慶太と自分の食器を持って立ち上がり台所に向かった。
洗っていると急にテレビの音が消えた。
振り返ると慶太がリモコンを持ってた。
「なんで消すの〜あたしニュース聞いてたのに」
食器を拭きながら言う。
「先輩早くこっち来て」
いつもより少し低い声に驚いた。
:06/06/12 22:12 :V703SH :enZ4xznQ
#467 [ゆり]
「なに?」
食器をしまい
手を洗って慶太のところに行くと
ベットに座った慶太があたしの手を思いっきり引っ張った。
次の瞬間にはもう慶太が上にいて
両手はすごい力で押さえられてた。
:06/06/12 22:14 :V703SH :enZ4xznQ
#468 [ゆり]
時間が止まったみたいに
何秒か目が合ってた。
目が反らせないってこういう感じか。
「コラ何してんの」
自分でも謎だけど
妙に落ち着いてた。
「抵抗しないの?笑
しないならやっちゃうよ?」
目は笑ってなかった。
:06/06/12 22:16 :V703SH :enZ4xznQ
#469 [ゆり]
手を振り離そうとしても
ビクともしない。
男ってこんなに強いの?
「まじでやめて」
そう言った瞬間
セットされてたかの様に
バッグの中であたしの携帯が振動した。
:06/06/12 22:20 :V703SH :enZ4xznQ
#470 [ゆり]
ブーブー…
あたしは助かった!と思った。
「ちょ…携帯鳴っとる。出なきゃ…」
顔を背けた。
「だーめ」
慶太は静かにそう言って
あたしの首筋にキスをした。
嫌でも体が反応する。
足をバタバタさせても
慶太はやめない。
:06/06/12 22:23 :V703SH :enZ4xznQ
#471 [ゆり]
いつの間にか携帯も鳴り止んでた。
隼人だったと思うと
なんとも言えない気持ちになった。
「先輩…もう俺にしときなよ」
手が胸に触れた。
弱い首筋を舐められて
胸も触られて
感じない訳なかった。
隼人が他の女といた光景が頭をよぎると
やけになろうとする自分もいた。
:06/06/12 22:27 :V703SH :enZ4xznQ
#472 [ゆり]
部屋に上がったんだから
何かある事くらい
予想してたじゃん。
顔もいいし一回くらい
いいじゃん。
隼人だってやってるんでしょ?
でも嫌だ。
彼氏に浮気されて
他の男に付け込まれて
当て付けみたいにヤルなんて
あたしそこまで弱くないはず。
:06/06/12 22:30 :V703SH :enZ4xznQ
#473 [ゆり]
今なら戻せるものも
きっと戻せなくなる。
それくらい好い加減
身に染みて分かってるから。
:06/06/12 22:33 :V703SH :enZ4xznQ
#474 [ゆり]
「ねぇほんとにやめて」
あたしの真剣な声に
慶太が顔を上げた。
「離して」
その言葉で
強めていた手を緩め
あたしから体を離した。
あたしも体を起こした。
慶太は下を向いたまま
何もしゃべらない。
あたしも言葉が見つからなかった。
:06/06/12 22:34 :V703SH :enZ4xznQ
#475 [ゆり]
雨音だけが部屋に響いて聞こえた。
隼人と付き合った日も
隼人をもう一度信じようと決めた日も
こんな雨の日だった。
:06/06/12 22:36 :V703SH :enZ4xznQ
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