〇ニ番目の四季〇
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#491 [ゆり]
あたしはどこまで甘ったれなんだろう。
「大丈夫!」
急いで玄関を出た。
「…」
また慶太の家に戻りドアを開けた。
「帰り道が分かりません…」
「先輩ダサ〜(笑」
「あ?」
「車乗りたくないなら駅まで送るよ(笑」
「…すみません(笑」
:06/06/14 07:53 :V703SH :uwhDiWoo
#492 [ゆり]
慶太は笑いながら
玄関の鍵を締めた。
いつの間にか雨も止んでる。
「彼氏に会いに行くの?」
煙草を吸いながら慶太が聞いた。
どうしたらいいのかも
どうするべきかも
どうしたいかも
サッパリわからない。
:06/06/14 07:59 :V703SH :uwhDiWoo
#493 [あやぽん]
:06/06/14 08:35 :SH700i :0XRzTA.g
#494 [我輩は匿名である]
:06/06/14 10:06 :N902i :2xhUxhu.
#495 [ゆり]
「帰りながら考える…」
「そっか〜」
そう呟いて吐いた煙が
目の前に広がる。
隼人なら
「ごめんね」って言いながら
煙払ってくれるんだよ。
あたしが怒って帰るって言ったら
絶対に追い掛けてきてくれるんだよ。
それで
少し怒った声で
「一人じゃ危ないだろ」って
優しく手を握ってくれるんだよ。
隼人に会いたい。
:06/06/14 17:47 :V703SH :uwhDiWoo
#496 [ゆり]
「先輩大丈夫?」
泣きそうなのがバレてたのか
心配そうに顔を覗き込む慶太。
「大丈夫…もう帰れるから、ほんとありがとね」
あたしは軽く頭を下げて
早足で改札を通った。
一人になって
どうしようもない
不安に襲われた。
急いで携帯を出した。
:06/06/14 17:52 :V703SH :uwhDiWoo
#497 [ゆり]
隼人からの不在着信が
たくさんあった。
「隼人…」
あたしは必死でボタンを押して
隼人に電話をかけた。
プルル…
「ゆり?!」
ワンコールで出てくれた。
いつもと同じ
あたしを心配する声。
涙が溢れた。
:06/06/14 17:55 :V703SH :uwhDiWoo
#498 [ゆり]
「ぅ〜…はやと〜…」
ホームの端っこで
人目も気にせず泣いてた。
「どーした!?大丈夫か?!今どこ!?」
「わかんないよ〜!泣」
「ゆり!落ち着いて、近くになんかない?」
「電車ー!電車があるー!泣」
「駅?なんて駅?!」
:06/06/14 17:59 :V703SH :uwhDiWoo
#499 [ゆり]
あたしはキョロキョロして駅名を探し
隼人に伝えた。
「今から行くから待ってて!声かけられても付いてくなよ!」
「うっん…」
「ゆり大丈夫だから、な?」
「うん…」
携帯を閉じて
涙を拭いて
ホームの椅子に座った。
:06/06/14 18:02 :V703SH :uwhDiWoo
#500 [ゆり]
隼人はいつも
あたしの名前をたくさん呼んでくれる。
可愛いものがあったら
「ゆり、あれ可愛くない?」
って教えてくれるし
励ましてくれる時も
呆れてる時も
怒ってる時も
喜んでる時も
いつも言葉の前に
ゆりって付けてくれる。
それがいつも
とても嬉しかった。
:06/06/14 18:09 :V703SH :uwhDiWoo
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