〇ニ番目の四季〇
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#550 [ゆり]
ねぇ隼人
あたしは今まで生きてきて
それなりに本気の恋もしたんだけど
こんなに誰かを
必要とした事はなかった。
こんなに誰かを
失いたくないと思ったのも初めてだよ。
この気持ちに嘘はないって
きっと今なら誓える。
照れ隠しに抱きしめて
「俺も」って
もう笑ってくれないの?
:06/06/18 00:27 :V703SH :ThLyQD2Q
#551 [ゆり]
電車を降りて
隼人のマンションに着いた時には
髪から水滴が落ちてた。
髪はこんなだし
多分マスカラも落ちてる。
でも伝えなきゃ。
隼人が好きだって。
ピッ
プルルル
「…はい」
「あ、今下にいるんだけど
ちょっと会えない?」
:06/06/18 00:31 :V703SH :ThLyQD2Q
#552 [ゆり]
「…今誰もいないから
開けるで入ってきて」
「分かった」
オートロックが開いて
エレベーターに乗った。
心臓が鳴ってるのが
自分でもわかった。
ピンポーン…
ガチャ…
ドアが開いた。
隼人がいた。
:06/06/18 00:34 :V703SH :ThLyQD2Q
#553 [ゆり]
「わっお前濡れてんじゃん!
傘は?!」
手を引っ張って玄関に入れた。
隼人の手だ。
隼人の声だ。
隼人の匂いだ。
「いつも隼人が傘入れてくれるじゃん!」
いつの間にか泣いてたあたしは
叫びながら言った。
:06/06/18 00:38 :V703SH :ThLyQD2Q
#554 [ゆり]
「そーだけど…」
「隼人が来ないから濡れちゃったんじゃん!」
「わかったから…(笑」
洗面所からタオルを取ってきて
髪を拭いてくれた。
:06/06/18 00:39 :V703SH :ThLyQD2Q
#555 [ゆり]
「お前本当バカだな〜」
「学年トップだもんね」
「頭はいいけど…とにかくバカ(笑」
「うん…」
「おっ認めた(笑」
「あたしバカだったみたい」
「どーしたぁ?
ゆりらしくないじゃん(笑」
ゆりって名前呼ぶだけで
あたしの事こんな幸せに出来るなんて
隼人だけだよ。
:06/06/18 00:40 :V703SH :ThLyQD2Q
#556 [ゆり]
「こんなにバカになっちゃうくらい
あたし隼人の事
好きだったらしいです」
髪を拭く手が止まった。
「なんだよ、らしいって…
人に聞いたみたいに言うなよ(笑」
あたしは隼人に抱きついた。
「隼人ー!好きだーッッ!!」
「お前は男か(笑」
:06/06/18 00:42 :V703SH :ThLyQD2Q
#557 [ゆり]
涙が出る。
こんな泣いてる毎日
赤ちゃんの時以来だ。
「俺も好きだっつーの」
恥ずかしそうにそう言って
強く抱きしめてくれた。
:06/06/18 00:44 :V703SH :ThLyQD2Q
#558 [ゆり]
「てかお前のせいで
俺まで濡れたし」
「ラブラブっぽいからいーじゃん!」
隼人の口癖。
どんな事しても
こうやって言って
二人なら笑い合えるんだよね。
「そーだな(笑」
:06/06/18 00:45 :V703SH :ThLyQD2Q
#559 [ゆり]
隼人はあたしを抱っこして
洗面所に向かった。
「重い〜?」
「コアラよりはね」
「なんだとコラッ」
「おま…コアラちゃんと張り合うなよ」
洗面所に着き
下ろされた。
「ほら脱げ!」
「やだー!恥ずかしいじゃん!!」
:06/06/18 00:46 :V703SH :ThLyQD2Q
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