モトカノ

このお話は今現在も進行しています。
だから結末はまだ誰にも分かりません。
ただひとつ言えること。
それは…
しいちゃん。
あたしはあなたが大好き。

メールの送受信フォルダ・着歴・リダイアル・データフォルダなど…すべてにおいて元カレであるたかゆきで埋めつくされていた。

元カレ…。
そう呼ぶにはまだしっくりこない。

「大好きだったのに…。」

そうこぼした瞬間、涙があふれてきた。

あたしは本当に勝手だった。
たかゆきのことを何も分かってあげられなかった。

ごめんね…。
ごめんなさい…。

きっと何度言っても足りないだろう。

いきなり別れを告げたのはあたしの方だった。

頑張って

ﾕｯｸﾘで言いから書いてって下さい

「たかゆきのこと…好きか分かんなくなった…。」

そんなあたしにたかゆきは
「ごめん…。俺のせい…だよね。ほんとにごめん…。」
そう言った。

たかゆきにとって、あたしははじめての女だった。

付き合うのも、キスをするのも、もっと深いところも…。

たつさん
ありがとうございます
がんばります

たかゆきはいつもあたしのことを一番に考えてくれた。
あたしもあたしなりに頑張ってそれに応えようとしてた。

でもいつからだっただろう。

たかゆきがあたしのことを信じられなくなったのは。
束縛がきつくなって、疑われることが当たり前になったんだ。

確かにあたしは男の人に対して誠実とは言えない付き合いばかりしていた。
たかゆきと付き合うまではセフレだっていて、出会い系もしていて知り合ったその日に…なんてことも少なくなかった。

でも…。
たかゆきと出会って、互いに惹かれあって、全てを知ってたたかゆきに「自分のこと大事にしなきゃ。」って言われた時、やめようって思ったんだ。
この人についていきたいって…そう思ったんだよ？

でもしょうがないね。
やっぱり過去は消せなかった。

耐えきれないほどの束縛に、あたしは疲れてしまった。
たかゆきへの気持ちが分からなくなり、別れを選んでしまったんだ。

あたしは結局、たかゆきから逃げたんだ。

“泣いちゃだめ…。”

あたしに泣く資格なんてない。
傷つけたのは自分。
終わらせたのも自分なんだよ。

この涙はなに？

たかゆきへの罪悪感？
ただ彼を失って寂しいの？
それとも悲劇のヒロインぶりたいだけ？

あたしはきっと、一生幸せになんてなれない。