貴方がくれたもの。
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#1 [りぃ] 08/01/05 01:10
PM6:00。
「よしっ完璧っ!」
鏡に向けて笑顔を作る。サングラスをかけ、慌ただしく家を出る。マンションを降りると、おかかいのタクシーのおっちゃんが今日も待ってくれていた。

#108 [りぃ]
「あたしはいくらでも寝ませんよ。」
ニコニコしながら答える。こーゆう奴はたまにいる。
「100でもか?」
「えぇ。」
「ほなこれでもか?」
バンっと音がしたのでテーブルの上に視線をやった。その先には束になっている300万。

⏰:08/01/11 21:34 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#109 [りぃ]
生で初めて見た。だけど
「えぇ。あたしから見ればこれっぽっちです。」
宮田は意地になったのか、さらに一束出した。
「これでもか?」
「えぇ。たとえいくらでもです。」
もう一束出してあたしが断ると、宮田は諦めたのかそれをしまった。
「姉ちゃん強情なやっちゃな。」
「宮田さん程じゃありませんよ。」
笑いながら言うと、驚くほど可愛い顔で宮田も笑った。

⏰:08/01/11 21:39 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#110 [りぃ]
「でもなんでや?500出して頷かんかったんは姉ちゃんが初めてや。」
正直、あたしもすこしだけ心が揺れた。だけど寝ない。いくら積まれたって。これだけはあたしの絶対。
「あたしはお客様に癒やしや楽しくなって頂くのが仕事ですから。それで体を求められるのはあたしの力不足とゆうことです。」
宮田は「そうか…」と言った。それからあたしのお客様になって下さり、週に1度は同伴でお店にきて、高いお酒を何本も卸してくれる。あたしの大切なお客様である。

⏰:08/01/11 21:48 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#111 [りぃ]
ある日の同伴の時、宮田と買い物に行った。ブランド店を何件も周り、「これ可愛い!」とゆうと「買っとけ買っとけ!」とゆう具合に、たくさん物を買って頂いた。
「ありがとう。でも宮ちゃん、今日はいきなりどうしたん?」
この頃にはあたしは宮ちゃん、宮田はりぃちゃんと呼び合うようになっていた。
「…今日はな、亡くなった娘の誕生日やったんや。生きてたらりぃちゃんと同じ年になるはずやった。きっとべっぴんさんになってたわ。りぃちゃんには負けるけどな。」
宮ちゃんはいつものようにガハハと笑った。だけどいつもより笑顔が寂しい気がした。

⏰:08/01/11 21:56 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#112 [りぃ]
悲しいよね。辛いよね?あたしなんかが想像出来ないぐらい、いっぱい一人で泣いたんだよね?
あたしは宮ちゃんの後ろに周り、両手で宮ちゃんの目を隠して
「お父さん、ありがとう。」
と言った。
宮ちゃんは何も言わなかったけど、泣いていた。あたしの手のひらが涙で濡れるのが分かったから。

⏰:08/01/11 22:00 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#113 [りぃ]
いつも大きい声で笑う宮ちゃん。あたしがここのケーキが好きだと言うと、店に来る度にそこのケーキ屋でケーキを大量に買ってくる宮ちゃん。「彼氏が出来たら俺に会わせろ」とゆう宮ちゃん。
いつからか、娘さんと同じ年のあたしに、娘さんを被らせてたんやね。だから宮ちゃんはいつも、どこかお父さんみたいな優しさがあったんやね。
そんな宮ちゃんが泣いているのを見ると、あたしまで悲しくなってきて、しばらく二人で泣いていた。

⏰:08/01/11 22:05 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#114 [りぃ]
話は戻って、今日の同伴は有名な日本料理屋さん。大阪にこんな落ち着いたお店があるのかと思うぐらい、落ち着いた雰囲気の中あたしと宮ちゃんはいつもみたいに笑いながらお話中。
「りぃちゃん、最近一段と綺麗なったけど彼氏でも出来たか?」
と宮ちゃんに言われた。あたしは宮ちゃんには全てを話していた。
恋愛に冷めていること。男なんて信じられないこと。…でも本当は心のどこかで運命を信じていること。

⏰:08/01/11 22:10 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#115 [りぃ]
「彼氏なんかできてないよ〜。…けどなんか毎日連絡とってる子はできたかも…」
とあたしが言うと、
「…どんな奴なんや?仕事は?年は?優しいんか?」
と聞かれ、あたしは思わず笑ってしまった。
あたしは母子家庭だったから、きっとお父さんってこんな感じなんだろうなって、宮ちゃんといたら分かる気がした。

⏰:08/01/11 22:15 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#116 [りぃ]
「宮ちゃん父親みたい(笑)。えっとなぁ〜年は23才で優しい人やで、たぶん。仕事は…ホスト。」
あたしは俯きながら答えた。宮ちゃんは、
「ホストか…。まぁりぃちゃんアホじゃないから騙されたりはないと思うけど…気つけなあかんで。りぃちゃんはないけど、色使いよる奴もおるんやからな。同業やったら本心かそうじゃないかは分かるやろ?かっこ悪くてもいい、ただ情けない女にはなるな。」
と言った。
宮ちゃんの言いたいことすごく分かった。“かっこ悪くてもいい、情けない女になるな”って言葉が胸に響いた。
「うん…」とだけあたしは返して、違う話題に変えた。

⏰:08/01/11 22:22 📱:D903i 🆔:QgHbipXk


#117 [我輩は匿名である]
続きが期になる

⏰:10/01/13 14:09 📱:PC 🆔:☆☆☆


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