体愛

2005年 10月

秋

あたし佑莉19歳は
ある男陽22歳に
恋をしました

ともかが教えてくれた内容

正義がよく友達とﾅﾝﾊﾟしに街にでていて
最近ともかの友達をﾅﾝﾊﾟしてやった
ともかの友達はあたしと正義が付き合ってる事知らないから
ともかに正義の事話したらしい

嘘に決まってる
そんなの信じない

震える手
荒くなる呼吸

それでもあたしは
真実を確かめる為
正義に電話したんだ

『もしもし』

『正義？正直に答えてね』

あたしは少し興奮しながら言った

『浮気した？』

精一杯の言葉だった
できる事ならこんな事
聞きたくなかった

少しの沈黙

『誰から聞いた？』

その言葉を聞いた瞬間
あたしは電話を切った

『してないよ』
嘘でもいい
ただ一言言ってくれたら
あたしは正義の言葉だけ
信じたのに

その後何回か正義から
電話があったけどでなかった

涙がとまらなかった
胸が苦しくて
痛くて
正義を失うのが恐かった

『浮気した。ごめんな、本当にごめん。佑莉の事は好きだ。でも、もう信じてくれないよな。』

正義からきたﾒｰﾙ

好きなら何で浮気したの？謝るくらいならまた信じさせてよ

『正義、別れよう』

あたしは心が狭いのかもしれない
付き合い始めの頃
『もし正義が浮気したら、一回目は許す』
なんて言ってたのにね

失いたくなかったよ
もう一回信じたいと思ったよ

『わかった。今までありがとな。佑莉、幸せにしてやれなくてごめん。約束守れなくてごめん。絶対幸せになって』

無責任な言葉だと思った
泣いても泣いても
涙はとまってくれなくて
あたしには正義が全てだったんだって思った

それから一週間くらいしてあたしはﾃﾞﾘ嬢になった
働く理由なんて今考えたら何だったんだろ…

お金？
自由？

あたしは何が欲しかったんだろ