スカウトマン慎也

俺の仕事は水商売のスカウトマン。
俺がこの仕事をして見てきた夜の世界の怖さ、冷たさ、優しさ、温かさをそのまま書いていこうと思います

つまらないかも知れないけどこれを見て水商売に対する価値観みたいなものが少しでも変わったりしたらいいなと思います

俺の隣についたまなみは彼女はいるのかと聞いてきたからその話しをしたら大爆笑されて、そこから急激に喋りやすくなって親方が勝手にまなみに場内指名を入れた。

そしてチェック(会計)をする雰囲気になった時に
「ねぇ、アドレス教えて」とまなみに言われた

俺は笑って「全然えーよ！」と言ってデタラメなアドレスを渡されたまなみの名刺の裏に書いて返した。
どーせキャバ嬢から来るんは営業メールやし、うっとうしいから

まなみは「ありがとう！今日はもう遅いで明日送るわ」と言ってアドレスが書かれた名刺をヒラヒラさせた

「ん、待っとるわ。今日はごちそーさま」俺はそう言った。メールが来ることはまずない、と思うと笑えた。せいぜいデタラメなアドレスに営業メールでも打ってくれ

その夜から一週間ぐらい経ったとき、なぜかまなみからメールが届いた

「この前はありがとう

デタラメなアドレス教えやがってこのクソガキ

」みたいな内容で。

俺はピンと来てそっこー親方に電話した。
「先週２件目に行ったキャバの女に俺のアドレス教えたん親方っすよね？」
「おう、さっきその店行ってきてん。で、慎也にメールしたらエラーやったてゆうで教えといたで～」

めっちゃいらんで、その気遣い。

俺は「そうっすか、どうも」と言って電話を切った。俺はまなみのメールを完全に無視して眠りについた

けど次の日、その次の日もまなみからの他愛ない一人喋りのメールが来た。俺の華麗なスルーさえスルーして、毎日一通ずつ送ってきた