いつまでも想い続ける

“いつかまた逢えますか”の続編です。

現在進行系なので、更新が遅くなるかもしれませんが読んで貰えると嬉しいです。

いつかまた逢えますか

bbs1.ryne.jp/r.php/novel-nf/6383/

『相手が稲葉さんだけに、無理かもなぁ。』

苦笑いしながら、あたしを見た。

『やっぱり？』

あたしはそう言いながら、おどけて笑う。

『長い付き合いなのに、分かってるでしょ？
だって、稲葉さんだよ？』

『まあね。』

北村と笑い合う。

お互い、稲葉には振り回されてきている。

稲葉は気分屋なとこがある。
それに、自分が“駄目”と思ったら、相手がどんなにドアを叩いても、開けることはない。

稲葉を慕う部下も居れば、逆の人も居る。

北村は多分、後者の気がする。

『片瀬、“好き”か“執着”か分からなくてもいいんじゃないの？
そんなの、どっちでもいいんだろ？
稲葉さんには、片瀬の気持ち全部分かってると思うから。
あの人は、そういう人だよ。』

海を見ながら言う北村の横顔を見ていると、急に頬の一部が冷たくなって、自分が泣いていることに気付いた。

それを気づかれないように、手のひらで頬を覆った。

そんなあたしに気付き、“寒い？”って声を掛けてきた。

『少し寒いかも…。』

あたしは咄嗟に嘘をついた。
頬を覆っていた手を顔全体に被せる。

……涙止まれ。

あたしは北村に気付かれないように、隠した。

『車に戻る？』

『まだ、海見たい。』

車に戻れば泣いていたことも気付くだろう。

あたしは暫く頬を手のひらで覆ったまま海を眺めていた。

『北村くん、ありがとね。』

頬から手を離し、北村を見た。

『お前、目が真っ赤。』

頭をポンポンして“飯食いに行くぞ”と言い車へ向かって歩き出す北村の後ろを急いで着いて行った。

>>233
>>234

有難うございます

世間はクリスマス一色になった。

北村と会ったあの日から少し気持ちが軽くなった。

そんなある日、三崎から久しぶりに連絡が有った。

こっちで友人の結婚式に参列するので、終わった後、会わないか…という連絡だった。

そして、久々に会うことになった。