マイナス

『いいから…はっきり言ってよぉ！夏にあげたくないんでしょ？』

「なんかあったの…？」

『…今辛いこと一気に背負って泣きたい……。だからはっきり言ってよ…。』

「……うーん。なんか別のものならいいよ？ただブレスの件に関しては最初も言ったけど、そういうのヤダよ？」

『…わかったぁ。』

「なんか辛いことあったん？」

『…うん。』

「家族関係？」

『ううん』

「友達？」

『…まぁ。』

「ケンカしたの？」

『…そうじゃないけど。』

その時

“あーあーっ”

勇の電話の向こうから聞こえた。

勇の赤ちゃんの声だ。

『…………………』

気まづい空気が流れた。

『…まぁ色々あったの。』

私は赤ちゃんの声には触れず勇に言った。

「そっか…俺でよければ何でも聞くからね？」

勇も私と同じ何も触れずに言った。

「あーうーっ！」

また赤ちゃんの声が聞こえた。

『まぁ頭ん中ちょっと整理するから電話切るね…』

気まづいのでそう言った。

「あ、うん」

そう言って電話を切った。

魔法のｉランドって何ですか？

>>275

携帯小説が見れるサイトですよ

もう限界だ。

電話を切ったあとそう思った。

勇の子供が産まれていることは分かってた。

だけど勇から何も聞いてなかったから実感があまりなかった。

だけど声が聞こえた。

本当に勇には子供がいるんだ。

あの声が私も強く実感させた。

何度も何度も思ってた。

どれだけ勇を想っても幸せになることはできない。

離れたほうがいい。

だけど好きな気持ちが押さえられず離れられずにいた。

でも勇の子供の声を聞いて現実を突き付けられた。
勇といても勇にとっても、私にとってもダメになるだけだ…。

勇とは本当に縁を切ろう。

「元気でた？」

そう来た勇からのメールに返事は返さなかった。

数日後、

「夏ちゃんが見たがってたDVDあるからいつ持ってけばいい？」

と来ていた。

私はその時に勇に何もかも終わりにしようと言おうと決めた。

『いつなら大丈夫？』

と返した。

勇から電話があり、やはりお互いまだぎこちなく、
話していても結局前と同じようにモメた。

『お互い譲らずでいつまでたっても解決できんしもう嫌や…』

「夏ちゃんが俺の歳になったら俺の考えも理解してくれると思うよ。」

『そうかもしれんけど、
今は無理…。』

「とりあえず土曜DVD渡すとき少し話そう？」

土曜日に会う約束をした。

その時に勇にお別れを言うんだ…。