それでも君が
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#1 [◆/J0YOBBoY2] 09/03/17 01:52
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君が望むのなら、僕は肉を裂いて深紅色した臓器を視せても良い。
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#2 [◆/J0YOBBoY2]
“愛して欲しい”と、君は囁いた。
“離れるくらいなら、殺して欲しい”と、君は哀願した。
“貴方が誰かに愛を囁くくらいなら、一緒に死んで欲しい”と、君は狂った。
そして僕は云う。
“殺してあげよう”
:09/03/17 01:54
:W62H
:5nJcKr8o
#3 [◆/J0YOBBoY2]
そうだ、君はいつも何かに怯えて泣いていた。
だからね、だから。
君を土に埋める時くらい、天気は良好の日が良い。
君の涙を土がよく吸収するように、乾いた土に埋めてあげよう。
:09/03/17 01:57
:W62H
:5nJcKr8o
#4 [◆/J0YOBBoY2]
僕は君に全てを捧げてきた。
金も、名誉も、もちろん愛も全て。
それでも君は云ったね。
“愛して欲しい”、と。
これ以上なんて無いのに、僕はどうして良いか戸惑った。
:09/03/17 01:59
:W62H
:5nJcKr8o
#5 [◆/J0YOBBoY2]
“どうしたら、僕が君を愛していることになるの?”
行き詰まった結果の質問。
君は泣いたまま、声も出さずに黙っていた。
僕も手に負えないと諦めかけた時だった。
“殺して欲しい”
:09/03/17 02:01
:W62H
:5nJcKr8o
#6 [◆/J0YOBBoY2]
耳を疑った。
こんなに愛している君を、僕に殺せと、君は云っている。
それも冗談なんかじゃない。
目は真剣な色だった。
:09/03/17 02:02
:W62H
:5nJcKr8o
#7 [◆/J0YOBBoY2]
“殺せない。殺せないよ。僕は君を愛しているから、殺せない”
手をぎゅっときつく握って、真っ直ぐに君を見据えた。
でも君は手を静かに解いて、“もう無理なの”と云わんばかりに、首を横に振った。
:09/03/17 02:04
:W62H
:5nJcKr8o
#8 [◆/J0YOBBoY2]
“ごめんなさい。死にたい訳ではないから誤解しないで。貴方に愛されたいだけなの。
“生きながら貴方に愛される自信は無い”
嗚呼、何故だろうか。
こんなにも深く愛しているのに、どうして。
:09/03/17 02:07
:W62H
:5nJcKr8o
#9 [◆/J0YOBBoY2]
“…分かった。分かった…。殺す、殺してあげる。君がそれを望むのであれば、僕は、君を…………”
そうだ、君が望むのなら、殺してあげよう。
それで君が満足、なら。
:09/03/17 02:08
:W62H
:5nJcKr8o
#10 [◆/J0YOBBoY2]
“嬉しい、嬉しいわ。そうね、最期まで貴方を見つめて殺されたいの”
それも、君が望むのなら。
僕は本当に君を愛している。
君を愛しているからこそ、僕は殺すのだ。
:09/03/17 02:11
:W62H
:5nJcKr8o
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