恋の行方

変って言われた時、正直かなりへこんだ。

思っても口に出して言わなければいいのに･･･

って思ってしまう。

あたしが先輩を好きになった時だって──･･･

『先輩の事好きなんだ。だからそんな化粧すんの？』

とか言われる始末･･･

いい加減、あたしもキレるよ？

『･･･何でふじゆきはいつもあたしにそう言う事言うの？あたしが嫌いだからちょっかい出してくるんでしょ？ウザいからやめてよ。』

初めてふじゆきにそんな事を言った気がする。

あたしなりに凄く勇気を出した言ったつもり。

『何でいつも変な事言うの･･･？』

あたしがそう言うとふじゆきは答えた。

『･･･ふじあんをいじめんのが楽しいから。』

･･･むかつく･･･

なんか分かんないけど腹が立つ。

やっぱりあたしはこいつが嫌い。

大嫌いだ──･･･

あたしはこんなにも嫌ってるのに、ふじゆきは何故かモテる。

モテるって言うか、女の友達が多い。

人見知りをしない性格って言うか明るい性格なのか分かんないけど、女の子と話すのは苦手ではないらしい。

そしてあたしはふと思った。

ふじゆきって彼女いるのかな？

って･･･

中学の時彼女の話しとか聞いた事ない。

って事は中学の時はいなかったって事じゃんね？

まぁ興味ないけど──･･･

『浩之君と同じ中学だったんだよね？』

同じクラスの女の子に声を掛けられた。

『そうだけど･･･』

『どんな人だった！？』

そう、あたしに聞かれた。

あたしに聞かれても･･･

『別に普通だったよ？てか、仲良くないからどんな人かなんて分かんないよ･･･』

『でも３年間同じクラスだったんでしょ？』

『そうだけど･･･』

ってか、何でこの人そんな事知ってんの？

『なのに仲良くなかったの？』

『うん。あたしあの人嫌いだから。』

『えー？何でー！？』

しつこくてうざかったからその時は適当に避けた。

この人はふじゆきが好きなのかな･･･

とか思っちゃったよ。

──･･･

高１の５月。

バイトをしようかなと思ったけれど、なんのバイトがしたいとかなかったから結局はしなかった。