あの頃を思うと

部活中はまさき先輩のマークはあたし。

プレイ中は必死で汗流して嫌なこと忘れられる…

おわった後はみんなでいろんな話もして笑って楽しかった。

体育館が閉まる時間になりあたし達は急いで更衣をすませる。

着替えてると携帯が鳴った。誰だろって思いながらﾒｰﾙを見るとまさき先輩からだった。

［今日一緒に帰ろ

校門の下で待ってるね

］

びっくりした!!
先輩は電車通だから駅に帰る道。あたしは駅から徒歩１分のとこが家。美香は校門を出てすぐに逆方向。

話す内容はわかってても一緒に帰れることが嬉しかった･･･

マッハで軽く化粧をした。
美香「何何～？あき先輩と帰るとか？」

杏「ははっ…まぁそんな感じかな…」

美香が気に入ってるって分かっててまさき先輩と帰るなんて口が裂けても言えなかった…。

美香「いいな～あたしはみんなと帰る道逆だし一人淋しく帰ります…」

杏「遅いし気を付けて帰りなよ？襲われないようにしてよ？」

美香「だてに体鍛えてないし大丈夫っ笑」

杏「まぁ美香は徒歩５分だしねっ笑」

美香「近すぎるのもやっぱ微妙な感じよ？笑」

杏「あっそろそろ出なきゃ閉められちゃうっ」

うちらの顧問は時間になるとたとえ中に部員が残ってても容赦なく閉める人…

急いで体育館の入り口に迎う。
顧問「５～４～３～」

顧問がカウントダウンをしてる。残り１秒でぎりぎりセーフ…

せっかく化粧なおしたのにまた汗かいたし…

ぶつぶつ文句を言いながら校門まで美香と降りる。

校門でばいばいして下に少しくだるとまさき先輩が･･

まさ「お疲れっ急にごめんね？」
杏「全然大丈夫ですよっそれより実は例のことをゆっくり話したかったんでしょ？」
まさ「いや～それもあるけど杏ﾁｬﾝともゆっくり話してみたかったしね～」

そんな事言われると余計嬉しくて笑顔になっちゃう…

まさ「あっ俺の事は先輩で呼ばなくていいから!!まさきとかでいいよ☆」

杏「呼び捨てとか無理ですよ!!なら～まさ君って呼ばせてもらいます☆あたしの事は杏でお願いします」

まさ君…
こう呼んでたのはあたしだけだった。

特別って感じがしてすごく嬉しかったな･･･

まさ「所で杏は気になる奴とかいないの？」

杏「…………」

まさ「ん？」

杏「いる……ってのは嘘でまだいないですね～」

まさ「そっか～あきとかは？あいつ杏の事気に入ってるみたいだよ☆」

杏「あき先輩があたしなんて相手にしないですよ!!いい先輩だなとは思います」
まさ「もし俺と美香ﾁｬﾝが付き合って杏とあきが付き合えば４人で遊んだり出来るよなっ☆」

まさ君はあたしの気持ちを知らない訳で、悪気なんてないのは分かってるけど…泣きそうだった･･･

必死に涙を堪えたけど溢れちゃってまさ君の顔を見ずに話てた。

杏「あたし達はないと思うけどまさ君達はうまくいけばいいですねっ」

顔は笑えてないけど声だけは明るく言った。

まさ「ありがと･･杏はやさしい子だね」

杏「そんな事ないですよ」
まさ「俺なんかのために話聞いてくれて優しいよ」

俺なんか？
まさ君だからだよ･･･

どんなに辛くたってまさ君だから傍にいたいって思うんだよ？

好きの１番になれないなら友達の１番になりたい…

それからもいろんな話をして家まで送り届けてもらいバイバイした。

複雑だったけど…
それでも嬉しかった。

お礼のﾒｰﾙをまさ君に送りあたしは毎日送られてくるあき先輩からのﾒｰﾙを返した。

この時あたしは心のどこかであき先輩を利用してた･･
辛い気持ちや淋しい気持ちをあき先輩にさり気なく甘えてた･･･

多分あき先輩はあたしがまさ君の事を好きなの分かってたと思う。

なのにあたしに優しくしてくれたし笑わせてくれた。

いつしかあき先輩があたしの中で癒しの存在になってたんだ･･･

そしてその夜。
あたしはまさ君に遊びの誘いをうけた。

明日は土曜で部活もちょうど休みだった。

ﾒｰﾙでは明日の１１時頃、○○駅に集合ってかかれてた。

あたしの地元からは電車で２駅先のまさ君の地元。

急な誘いにとまどいながらも浮かれてタンスから服をありったけ出して一人ﾌｧｯｼｮﾝｼｮｰを夜中まで行った。

普段の自分じゃないところをアピールするチャンス!!

髪型をどうするかなど考えてたらあっという間に朝日が昇る時間に･･･

結局一睡も出来ず本日を迎えてしまった。