好きだよ…ずっと(続編)

あれから３ヵ月近く経った。
今もあたしの気持ちは出会ったあの頃のまま…
何も変わらない…
貴方はどう？
変わらないで居てくれてる？　　　　

おっちゃん…愛してるで…

さすがに制服では組事務所に行けないから上着を羽織ってから入った。
若い衆達はいきなりのあたしの訪問にびっくりしてた。

あたしと親父は１５しか年が変わらない。
あたしは２８…親父は４３…
そりゃびっくりもするわね(笑)

『お母さんも仁君も元気か？』

仁君てのはあたしの義理の親父。
要はあたしのお袋、奈津美の再婚相手だ。

『皆元気だよ。ケイタもユイナも。』
ケイタとユイナはあたしの子供。
ぶっちゃけ戸籍はあたしの弟と妹になってるけど。
お袋が再婚した時に勝手に二人で決めてそうなった。
跡取り欲しかったらしいけど…
あたしはなぜか本当の親父…
要はこの組長、勝義君の戸籍に移された…
ヤクザの娘は要らないんだってお袋言ってた。

『相変わらずなのか？』
『まあね…あの二人の考えてることは分かんねえよ』
『そっか…そう言えばお前彼氏はどうした？』
『今は別の人と付き合ってる…』
『同棲までしてたのにか？』
『色々あってね…』

親父が知ってるのは７年同棲してた奴の事。

『別れて１年は経つよ…』
『そうか。今の彼はどんな奴だ？』
『鳶…社長やってる…今は怪我して入院中だけどね…』
『大丈夫なのか？』

その言葉であたしは自分の状況を親父に話した…
子供を流産した事…おっちゃんが元嫁が復縁しそうな事…

訂正

おっちゃんと元嫁が

親父は黙ってあたしの話を聞いてあたしに質問をした。

『お前はどうしたいんだ？』

どうしたい…

そう聞かれて初めてずっと相手の言いなりになってた事に気づく。

『別れたくない…』

『ならこのままこの足で病院に言って自分の素直な気持ち伝えて来い！』
そう言って親父は笑った。

『お前も女の子してるな(笑)』
『一応女の子だからな』
『俺にとっては龍翔でも良いんだけどな。』

リュウト・・・久々に聞いたなその名前…

中学の頃女だっていつも馬鹿にされたり差別されるのが嫌で親父に話したらその日から親父はあたしの事リュウトって呼んだ。
あたしが男だったらその名前付けてたんだって(笑)

今となってはあたしをリュウトって呼ぶのは親父と行きつけの飲み屋の女の子だけだ。
なぜか女の子に人気なんだあたし…