アナタ依存

『真衣』

名前を呼ぶ声が欲しい

あたしを抱く腕や
身体が愛しい

笑っていてほしい
隣にいてほしい
あたしをちゃんと
見てほしい

終わったのはもう夜中で携帯を見ると
雅也から着信とメールがきていた.

『まだ終わらないの？今日、会いたかったのに』

いつも会いたいだなんて雅也は
あんまり言わないのに
こういう時に限って甘えたがる.

あたしは美里とかなみさんと別れた後
雅也に電話した.

でも寝ちゃったのか
何回コールしてもでない.

『今終わった！ごめんね。起きたら連絡ちょーだい』

とりあえずメールをいれて
あたしも寝た.

次の日.
昼職が休みで昼すぎまで寝ていたら
お母さんの叫び声.

『まいー！雅也くんきたよー！』

長い付き合いだったのもあって
あたしと雅也はお互いの親と仲が良かった.

『居間にいるから、あんたも早く起きなさい！』

なかなか起きないあたしに
お母さんは部屋まできて言った.

眠たい目をこすりながらあたしは渋々居間に行った.

ちょうど昼時で
雅也はお母さんが作ったご飯を食べていた.

『雅也、おはよー』

あたしは雅也の首に手を回した.
いつもなら
頭をぽんぽんってしてくれるのに
この時は違った.

『後で話しあるから』

ぼそっとあたしに言って雅也はお母さんと
世間話をはじめた.

きっと昨日の事怒ってるんだ.

あたしは雅也の態度に
なぜか逆ギレ.

イライラしながら
部屋に戻った.

しばらくして雅也が部屋にきて
いきなり説教開始.

『お前、何であんなに連絡したのに返事夜中なの？』

『なんのバイトしてんの？』

この繰り返し.

あたしは

『バーだよ、連絡が夜中になったのはバイト中だったし仕方ないじゃん』

喧嘩腰に言った.
しつこい.
関係ないじゃん.

あたしにはわからなかった.
ただ雅也にイライラして言い合い.

いつもあたしが雅也にしてる事なのに.
あたしが雅也を思うように
雅也もあたしを思ってるからこそだったのに.
気付けなかった.