短い恋物語..

短い間だったけど

ほんまに大好きだった。

短編になると思いますが

よろしくお願いします。

楽しい時間はあっという間で

話しとるだけでもう夜。

なんとなく話してから

いきなり抱きつかれた。

「帰らんといて？」

って。

なんか可愛くて

うちも帰りたくなくて

「帰りたくない」

って言った。

「外出よっか」

うちらは夜の街に出た。

涼太の地元は治安が悪い。

夜になれば活動的になって

昼間よりも騒がしくなる。

「今からおもろいの始まるでー」

って言われて行ったのは駅前。

ずらーって人、人、人。

正直怖くて行きたくなかった。

「俺と手繋いどったら
大丈夫じゃけ、行こーや」

涼太はうちの手を取って

人だかりのほうに向かって

歩き出した。

「涼太くんじゃん」

「涼太くん見に来たんす？」

とかって色々声かけられとる。

「これ、俺がおった族の
後輩らあなんよ。」

って説明してくれた。

"声だし"ってのがあるらしい。

しばらく見よったら始まった。

「○○○(族の名前)特攻隊長
××××(自分の名前)」

みたいな感じで一人ずつ。

声が小さかったらやり直し。

周りもやたら盛り上がっとるし

何がおもろいんかわからんけど

なんか笑えた。

そのあと走りに行ってた。

単車ふかす音って

チームによって違うんじゃね。

この涼太がおったチームの

ふかす音は、思い出せる。

たまに頭に流れてくるんよね。

それから適当にうろついた。

新しい世界を見た気分だった。

家に戻ってから、

涼太の特攻服とかも

見せてもらった。

そんな世界が新鮮で

ほんまに楽しかった。

狭い視野を広げてみれば

色んなものがあるんじゃな

って思った。