恋なんて･･･

恋なんてもういい･･･

あんなに辛いなら･･･

あんなに苦しいなら･･

恋なんてしたくない･･

？「あの～私○○の仕事仲間の××って言います」

っていきなり言われた。

男の声だった。
名前を聞いてすぐに上司と言う事が分かった。

「いつもお世話になってます。彼は？」

と聞くと信じられない言葉が返ってきた…

「彼は今救急にきていて検査中なんで、一応伝えとこうと思いまして…」

いきなりそれだけを言われたって訳が分からない。

「え？どうゆう事ですか？彼に何かあったんですか？」

そう聞くと相手も動揺しているのか意味がよく分からなかった。

とりあえず病院の場所を聞き友達に事情を話、すぐさま車で病院にむかった。

夜中ともなれば車も少なくスピードをあげ信号すらも無視し、早く行かなくちゃって焦ってた。

救急の入り口から入ると
彼の職場の人が６人くらいいた。

頭を下げ
「○○の彼女ですが、彼は？今どんな様子なんですか？」
と聞くと
「今検査中で何とも…本当にすいません、私たちがついていながら…」

とにかく事情が分からないので詳しく聞くとどうやら彼は周りの人達にお酒の一気飲みをどんどん勧められあびるように飲んでいたらしい。

その後彼がお店から姿を消し探しに出たら外で倒れていたらしく意識が全くなくとりあえず病院に運んだとか…

要はアルコール中毒。

名前は聞いた事あったけど実際なってる人を見たことはなかった。

そしてアルコール中毒という病気はたいしたことないって勝手に思っていた。

先生が治療室から出てあたしに「○○さんの身内の方ですか？」と聞いてきたので「彼女です」って答えたら中に入るように言われた。

さっき少し安心していたあたしは彼の姿を見て言葉を失った…

小さなﾍﾞｯﾄﾞに裸で横になっている彼。
体は青ざめていて口だけが少しあいていた。

「○○…」
思わず彼の名前を叫んだ。
彼の手を握ると冷たかった
でもかすかに息はしているのは分かった。

「先生…アル中って生死にかかわらないですよね？彼は大丈夫ですよね？」
必死に叫んでた。

「アルコール中毒は生死に十分関わりますよ。これだけ長時間意識が無い状態は正直いって危険な状態なんです。彼のご家族にも伝えなければならないので実家の連絡先は分かりますか？」って言われた。

あまりにも残酷な言葉を表情一つ変えずに話す医師。

あたしは先生の言葉を無視して彼の手を握ったまま彼にむかって話かけた。

ここから彼の名前を仮に
けいとします。

「けい…分かる？
りなだよ？聞こえる？
りなここにいるからねっ…大丈夫だからね…
頑張ろうね…」

って何度も伝えた。

その時だった。

目をつむったままの彼は
ゆっくりあたしの握っている手を動かしあたしの頬を一生懸命撫でようとした。

その手を握りしめ
「分かる？
分かるんだよね？
りなここおるよ。
傍におるからね」

気付いたら彼の目から涙が頬をつたっていた。

「なぁ先生、けい意識あるやん!!大丈夫やんな!?」

って叫んだ。

「あれだけ何しても反応なかったのに…やっぱ彼女さんはすごいね!!今すぐICU入れるから君は外に出て待ってて」

って部屋から出された。
泣きながらただ呆然と彼のいる部屋を眺めてた。

仕事場の人が近寄ってきたけどこの時はこいつらのせいでってゆー気持ちが強くて必要最低限でしかこたえなかった。

ICUの中から彼の嘔吐の声がした。

ほんの少しだったけど彼の吐く音が聞こえ職場の人達も意識が戻ったって騒いでた。

検査を終え医師が私たちの元にやってきた。

「彼女さんの声に少し反応があったのでひとまずは安心ですが決して大丈夫な訳ではない事は分かっててください。CTの結果脳には以上は見られなかったのでこのままICUで様子を見ます」

って言われた。
あたしだけ中に入るのを許可され彼を乗せたﾍﾞｯﾄと先生達とあたしは職場の人達と別れエレベーターで４階にむかった。