初恋？

「ともちゃん付き合ったことある？」

嫌な質問だった。
どうせ会わないから見栄をはるか？

それとも逆に会わないから素直に言うか？

悩んだ挙げ句

「ないよ。ゆうは？」

と返した。

すると
「俺もないよ！一緒やね(^O^)」

と返事がきた。

みほからかっこいいしと聞いていたから、絶対彼女くらいいただろうと踏んでいたが、違ったらしい。

それ以来親近感がわき
毎日メールをしていた。

夏休みに入り、暇な時間が増えたからっていうのもあったから。

夏休みに入ってすぐ、みほから
みほとみほ彼と、ゆうと私で遊ぼうと言われた。

緊張するけど、みほもおるしいいかなと思い会うことに！

当日…
駅のエスカレーターを降りていると真正面に座り込んだ１人の男がいた。

事前にメールで、エスカレーターの前に座っとくね！と言われてたから、彼に間違いないと思い近づくと…

その男はいきなり立ち上がった。

「ともちゃん？」

これが彼との最初の出会い。

確かに顔はかっこいい！
ちょっと背が低いかな？
なんて、お前何様だよって言いたくなることを考えていた。

カフェでお茶したり、ゲーセン行ったり、途中みほカップルと合流してまたゲーセン。

最初はあんなに緊張したのに、とても楽しく過ごせた１日だった。

その後もメールは途絶えることなく、初めて会った日から１ヶ月過ぎた頃、ゆうに告白された。

付き合うことに戸惑ったけど、冒険してみたくてOKした。

2004年８月20日。
それが忘れられない記念日。

ゆうは予備校生で勉強第一だからバイトはしてなかった。
私はバイトしていたけど、地方の時給なんてたかがしれている。

お金のない私達はいつも公園に行き、池のほとりのベンチで暗くなるまで話していた。

それだけで、毎日毎日楽しくて幸せだった。

付き合って２ヶ月経ったくらいかな。
初めてのキスもその公園の池のほとりのベンチだった。

付き合って４ヶ月目に入った頃、ゆうは大学を推薦で受け合格した。

目標だった国立はダメだったけど、学部は目標の医学部だった。

その大学は県内にあるものの、私達の住むところからはちょっと距離があった。

４月から中距離恋愛だね。

なんて話しながら、それまでの間たくさんの時間を過ごし思い出を作った。

あっという間に春がきて、ゆうは医大生になった。

私は毎週のようにゆうの家に通った。

ここまではほんとに幸せだった。ここまでは…