願い

二人の思い出かき集めたなら
また泣けてきちゃう
寂しさ溢れて

最後の恋だと信じて願った
あの日々に嘘はなかった

あなたがあたしに教えてくれた曲

離れても…

あたしはあなたの幸せを願うよ…

悩んだあげく選んだのは倖田來未の“愛の歌”

ただ単に歌いやすいからなんだけど…

間奏に入ってふとかずきを見ると目をキラキラさせてこっちを見てた

『ちょ…どうしたの？？』

『さやか！！俺感動した！！今までいろんな女の歌聞いたけど比べものになんね！まじうますぎだ！』

『言い過ぎだがらー』

『言い過ぎあてんね！俺今鳥肌たってだし！』

でも誉めてくれて素直に嬉しかった。

それからお互い何曲か歌った

かずきはあたしが歌う度に感動してくれてて、しまいには涙まで浮かばせていた

最初は嫌だったカラオケも、そんなかずきの姿を見たらきてよかったなと思えた

時間が過ぎるのはあっという間で、もう１時をまわろうとしていた

10分前のコールが鳴って、あたしたちはカラオケ屋を出ることにした

『あー楽しかった！またさやかど会ったらカラオケこねどな！』

『またぁ？もういいはよー！』

『だめだ！あの歌聞いだら虜さなったがら！』

またって…

またあたしに会いたいって思ってくれてるのかな…

そんなことを考えながら車に乗る

『もうこんな時間がや。そろそろ酒飲むが！』

『んだねー』

お酒を飲む＝ホテルへ行く

少し緊張している自分がいた

『音楽でもきぐがや』

そう言ってかずきは音楽を流した

『これな、俺が大好きな曲なんだ』

『へー。なんて曲？』

『願いだよ』

『願い？あたしはじめてきく曲だ』

『んだ？歌詞がかなりいんだよ。よっく聞いでみ？』

『わがった！』

あたしは静かな車内で、かずきが大好きだという曲に耳を傾けた

２人の思い出かき集めたなら
また泣けてきちゃう
寂しさ溢れて
最後の恋だと信じて願った
あの日々に嘘はなかった

２人の思い出集めたら泣き出しそうになる
今夜も寂しさ溢れて苦しくなる
最後の恋と信じ願った
あの日々に嘘はなかった離れても貴方の幸せ願う

すごく切ない曲…

そう思った

『いい曲だね。でも歌詞が切ない』

『だろ？聞いてると泣きそうになんだよなー。でも好きで毎日きいっだ！』

『んだのがぁー。』

それから数分車を走らせるとホテルに着いた

『俺やー、ラブホってあんまこねんだよなぁ。だから今すげーワクワクしったんだげっと！！』

『そんなに？よかったねー(笑)』

ニコニコしながらかずきはホテルへ入っていった
『おぉー！！すっげー！きれいだ！』

中からかずきの声が響く
あたしも中へと入った