‐この恋は永遠に…‐

こんな忙しいのに何よ～

｢もしもし？｣

陽介くんが…陽介くんが…

｢陽介が何？｣

｢村で、事故しちゃって、意識不明の重体だそうよ…
病院が小さくて、近くの保育園にいるみたい。｣

今…何て？

…………………

陽介が…重体？

ガタッ

｢みなみ？みなみ？聞いてるの？｣

陽介…

私は走った。無我夢中になって走った。村なんて、どこか分からないのに。

｢みなみちゃん!!探したよ｣

｢浩介さん…｣

｢陽介がみなみちゃんに会いたがってるから、早く行こう。｣
｢…は……い。｣

どうせ、陽介が仕組んだのよね？いつもみたいに、嘘だよ～んって言うんだよね…。

｢着いたよ｣

｢ありがとうございます。お兄さん。｣

中に入ると、

陽介の家族と、会社の人と、病院の先生とあたしの家族がいた。

｢陽介、なんのマネよっー｣

カーテンを開けると…

カシャ

よっ……よっ…陽介？

足がなくて、血だらけで動いてなかった。

｢み…なみ…すげえ、いてぇ…俺…もうダ…メかも…しん…ねえ……。｣

｢やだ…死なないでよ……
死んぢゃやだってっ!!陽介っ!!｣

涙が溢れて、こぼれる。

｢陽介っ!!救急車が来たぞ!!｣

｢ねえ、あんたっ!!陽介は助かるんでしょ？おっきい病院に行ったら助かるんでしょ？なんとかいいなさいよっ!!｣

｢……………｣

｢みなみ、やめなさい。お医者さんも最善をつくしてくれたんだから。｣

｢陽介？…ヒッ…救急車が……ﾋｯｸ…来たよ。良かったね。…痛いの……ﾋｯ…なくなるよ？｣

陽介は今までにない笑顔だった。苦しそうな笑顔だった…

救急車の中に入るのは、陽介のお母さんとあたし。

｢みなみちゃん、大丈夫よ。陽介は絶対死なないから｣

｢か…ぁ…さん…みな…みは？｣

｢陽ちゃん、みなみちゃんいるわよ。｣

｢陽介っ？｣

｢み…なみ…世界…で、い…ちばん……あいしてる…｣

｢陽介っ？陽介？｣

ピーーー

｢陽介？陽介？死なないでよっ!!結婚するって言ったぢゃん。幸せにするってゆったぢゃんっ!!陽介？起きて…

いっ…いやーーー｣

｢みなみちゃん…陽介から手紙とコレ。｣

みなみへ

俺恥ずかしくてなかなか言えないから、手紙にしてみた。今まで何百回何千回喧嘩したり、笑ったり泣いたりしたよな。これからも、俺と、その数増やして行こう。幸せにする。世界一愛してやる。だから、結婚しよう。

…指輪……

｢陽介…陽介のばか…｣

陽介～っ!!

あれから、葬式も全部終えた今…
私は前を向いて陽介に立ち向かってく。