“世界一寂しい私“の愚痴零し

私は寂しい人間だとか

不幸な人間だとか

そうやって自分を追いつめないと生きていけなくなった。

癒えない傷だけが生きる意味を教えてくれた１７歳の私の話し。

その時、私は昨日届いた大量のメルマガの中に、友人からのメールが混ざっているを見つけた。

（弥生から…）

こういったことはよくやってしまう。

アドレスを振り分けていないから、大事なメールまでメルマガと間違えてしまうことがよくあるのだ。

弥生は、中学時代の友達。

沢山の人と連んでいたから、一番の親友とかそういうのじゃないけれど、大切な仲間の一人だ。

『昨日、胱と電話してたら、胱が棗に何もしてないのに謝られたって言ってた(笑)』

私の顔はあからさまに引きつった。

恥ずかしさと、胱が私を覚えていたということの喜びと、わざわざなんで弥生に話したかという疑問が一気に沸き起こった。

私は直ぐに返信した。

『ごめん、昨日寝てた！！ってか、弥生って胱と仲いいっけ』

送信する前に、内容を何度も確認するのが私の癖。

メールがくると嬉しくて興奮して、打ち間違いをよくするから。

なんだか凄くワクワクした。

今日はいつものように退屈じゃない。

胱っていう退屈凌ぎができたから。

お陰で久しぶりに弥生とメールもできている。

弥生も授業中の筈だが、返事は直ぐに来た。

『親同士が仲良いから、まぁわりと(笑)』

弥生のメールにはいつも“(笑)“がつく。

びっくりした。

弥生と胱が電話までするような関係だったなんて！！

…でも、弥生なら普通のことかな？

私の地元は、男女仲良いから、仲間の家でたまって呑んだりする時も、男女でやることがある。

弥生もその他の私の仲間達も、普段電話するような仲の男の一人や二人、いても不思議ではない。

実際、こんな私も男友達は一応居るし。

弥生達よりはかなり少ないと思うけど。

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私の地元の男女は、“仲間“とか“絆“ってやつに無駄に酔っていた。

でも、その薄い枠の中に、ちゃっかり私も入っているわけで。

見えない所にいるけれど、ちゃんと私も“仲間の輪“の中に居るのだ。

その中途半端さが逆に嫌。

返すべき返事が中々見つからないのと、教師が此方に来る気配を感じたのとで、私は一端弥生とのメールを止めた。

机の引き出しに携帯を閉まった。

ふと黒板を見ると、いつの間にか訳の分からない数学の記号が並んでいた。

カリカリとノートを録るペンの音と、黒板をチョークがはしる音がよく聞こえる。

───あ、デジャビュ

じゃなくて、きっと昨日も今日も同じなんだ。

私の人生が一生“こんなもん“だったらどうしよう、と急に恐ろしくなった。

昔から、いつか人生に転機がやって来ると信じてた。

毎日が楽しいと感じられる日々が来ると信じてた。

まるで、小学校の頃みたいに、明日が待ち遠しくなるような日々が。

でも、なんだ、これ。

ここ数年、何となく生きてる気がしてならない。