【やっぱり‥ね?】
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#2 [さち]
― もうすぐ3年が経ちます。


"いつから"なんて
はっきりはわからないけど、

気付いたのは今日みたいに

秋独特の爽やかな空気に
うっすらとした白い雲が
太陽の光を和らげていた ―‥

そんな日でした。

⏰:09/09/16 16:42 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#3 [さち]
あなたはその時
誰を見ていましたか ?

何を思っていましたか ?


私は隣にいる
あなたばかりを考えていました。


― そして、 3年経った今も

相変わらずなんです。

⏰:09/09/16 16:44 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#4 [さち]
私は男の子が苦手でした。

お父さんや
おじいちゃんくらいしか
男の人を知らなくて、

男兄弟もいなければ
いとこも女ばっかり

近所の子にも、幼なじみにも
男の子がいなかったので

"苦手"と言うか
"接し方がわからない"
そんな感じだったのです。

⏰:09/09/16 16:49 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#5 [さち]
だから と言って

興味がないわけじゃない。

好きな人もできました。

初恋は、少し遅めの
中学一年生の時

極度に人見知りな私に
何の隔てもなく
話しかけてくれた人でした。

⏰:09/09/16 16:52 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#6 [さち]
初恋を経験し
それから告白もしました。

積極性がないので
もちろんうまく行くわけもなく
あっけなく終わって

"大したことないなー"
そんな事を思ってたのが事実

⏰:09/09/16 16:54 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#7 [さち]
 
― それからと言うものの

だんだん
接し方がわかるようになり
男友達も増えました。

だけど、
好きになることはなくて‥


中学生ながらに
"一生好きな人なんか
できないんじゃないかな?"

そんな事を思うようになってた私

⏰:09/09/16 16:57 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#8 [さち]
―‥ 今から3年前の秋

隣の席だった啓太も
同じクラスになってから
仲良くなった男友達。

啓太はスポーツ万能で
頭もよかった。

見た目は、 冷たそうだけど
優しくてしっかりしてる人

男の子にも女の子にも
人気があった。

⏰:09/09/16 17:04 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#9 [さち]
 
ただ単に
そんな彼を羨ましく思いました。

私は
特別勉強ができるでもなければ、
運動なんてもってのほか‥。

どこか抜けてると言われるし

"いいなぁいいなぁ"

啓太を見るたび、そう思った。

⏰:09/09/16 17:07 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#10 [さち]
 
「‥さっちゃん?」

啓太は私をそう呼んでいました。
彼、独特の呼び方

「んー?」

「さっちゃんって、
好きな人とか‥いないの?」

珍しく真面目そうな顔で
そんなことを聞かれたので

なんだか私は
どきっとしてしまいました。

⏰:09/09/16 17:16 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#11 [さち]
 
「えー‥いない。」

どうも、
啓太と真剣な話をするのは
なれていなくて
体の奥がむずむずしたので

私は"にっ"と笑って見せました。


「そーなんだぁ。」
私につられたように
笑った彼を見て

不思議と
愛おしく感じてしまったのです。

⏰:09/09/16 17:21 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#12 [さち]
 
「け‥啓太はー?」

愛おしく感じてしまった私は
我に返るようにして
焦って彼に聞きました。

すると彼は
さっきとは違い
"にや"っと言うような顔をして
顔を少し赤くたのです。

その瞬間に
なぜか私はがっかりしたので
"きっと私は啓太のことが―‥"

⏰:09/09/16 17:26 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#13 [さち]
 
隠れていた自分に
気づいてしまいまったのです。

私はその気持ちを抑え
「なにー?いるの? 誰?」
からかうようにして攻め立てて

知りたい気持ちはありました。
だけど
あたしの勘違いであってほしい
そう願う自分もいました。

ついさっき自分の気持ちに
気づいてしまった私には
彼の口から出る言葉に
今後がかかっていたのです。

⏰:09/09/16 17:31 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#14 [さち]
 
―‥
少しの間だったでのしょう。
周りの音が聞こえないくらい
手に汗を握り
彼の口元に集中していました。

「それがさぁー‥昨日」

"昨日? 昨日?
あぁ‥もうだめだ"
私の中の"ネガティブな私"は
そうつぶやいたでしょう。

"いや、待てよ
昨日誰かにふられたのかも‥
これは‥チャンス?"
にやけていた彼をよそに
"ポジティブな私"は
そんな事を思ったでしょう。

⏰:09/09/16 17:36 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#15 [さち]
 
「‥昨日、告られてさ」
幸せそうな顔をしていました。

私は体の力が抜けました。

"告られてさ告られてさ告られ‥"
まるでアニメのように
脳内再生が繰り返されて
正直、言葉を失ったのです。

⏰:09/09/16 17:43 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#16 [さち]
 
―‥    が 、

人というのはきっと
大きなショックに出くわした時
それに押しつぶされないように
回避するように
できているのでしょう。

"さっき気づいたんだ。
さっき気づいたんだから
すぐ忘れられるでしょー"

"ポジティブな私"は
私を励ますように、
開き直るように言いました。

⏰:09/09/16 17:47 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#17 [さち]
 
"それに、付き合ってる
とは言ってないし!"
わたくし、必死でしたの。

「そうなの?!誰にー?」
笑顔は引きつってないだろうか
声のトーンは普通だろうか

「‥隣のクラスのー‥

        奈緒に」

―‥ 奈 緒 に ?

⏰:09/09/16 17:54 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#18 [さち]
 
奈緒 というのはー‥

隣のクラスの子で
それはもう可愛くて
可愛くて可愛い子 。

いかにも
男の子が好きそうな子。

優しくて、話しやすくて
いつも笑顔で、色白で ‥
声が可愛くて、ちょっと天然

男じゃないからわかんないけど
きっと
男の子の"理想像"なんだと思う

⏰:09/09/16 18:11 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#19 [さち]
 
それは 男の子 の中の話で。

よくあるパターンの子でした

可愛いのに性格が悪い
表裏が激しくて
男の子に媚びるような‥


だから女の子には
あまり
評判がよくありませんでした。

そんな奈緒は
男の子をとっかえひっかえ
付き合っては別れ―‥
時にはあっちもこっちもって
二股やら ‥。

⏰:09/09/16 18:16 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#20 [さち]
 
そして 、つい最近

私は 彼女本人から
「今、達也と付き合ってるの」
そう聞いていたのです。

    二股 ?

それとも 達也とは
もう別れたのでしょうか‥

軽く失恋をした私でしたが
そんなことは
いつのまにか忘れていて

本気で 啓太のことが
心配になりました。

⏰:09/09/16 18:21 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#21 [さち]
 
「そ‥っかぁ
付き合うことにしたの ?」

"振った"と言ってほしかった。
その時は
自分の想いからではなくて
啓太自身が心配だったから
そう思ったのです。

付き合ったら不幸だとか
そんなことはまだわからない

だけど
幸せになれるはずがない。
ただ傷つくだけ ‥

⏰:09/09/16 18:25 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#22 [さち]
 
「うん」

満面の笑みで
言われてしまいました。

"やめなよ"
なんて言えるはずもなくて、

ただただ
その時の私にできたことは
"啓太の幸せを願うこと"だけ


―‥とりあえず、忘れなきゃ

"友達"として
応援しようと思いました

⏰:09/09/16 18:31 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#23 [さち]
 
「まじで?頑張ってねーっ」

啓太の肩をぽんと叩いて
笑顔を見せました。

私の久しぶりの恋は
一瞬にして、伝えないまま
終わってしまったのです。


―‥ちゃんちゃん♪

⏰:09/09/16 18:36 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#24 [さち]
と、
終わりにしてしまいたいくらい
あの時は辛かったです。


"もっと早く
気づけばよかったのかな ?"

"気づかなければ
よかったのかな ?"

ない頭を使って
必死で考えましたが

答えはでませんでした

⏰:09/09/16 18:38 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#25 [さち]
 
―‥
それから一週間くらいが経って

奈緒は達也と別れていた
と言うことがわかりました。

"じゃあ二股じゃないんだぁ"
と、安心はしましたが
やっぱり奈緒じゃ不安というか‥

だけど
"早く別れてほしい"と思う
私がいまして
奈緒が本気じゃなければいいな‥

最悪なことを
思ってしまうのでした。

⏰:09/09/16 18:50 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#26 [さち]
 
別れちゃえばいい‥
本気じゃなければいい‥

だけど
「奈緒がさぁ ♪」
無邪気に嬉しそうに
啓太は話してくれました。

それを聞くと
どこか苦しくなって
そんなことを思ってしまう私を
恥ずかしく感じたのです。

毎日が葛藤でした。

⏰:09/09/16 18:54 📱:D905i 🆔:0jDEjH6o


#27 [さち]
 
それから時々
学校の廊下や帰り際に
"2人"を見るようになりました。

正直
見たくはない光景
だけど自然と目が行くのが
事実なわけで

見るたび見るたび
あたしは自信をなくし
胸が締め付けられていました。

⏰:09/09/17 16:57 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#28 [さち]
 
結局
1ヶ月たっても
2ヶ月たっても
"2人"の関係も私の気持ちも
変わることはなかったのです。

ちょっとすれば別れるだろう
そんなことを思ってたけど

見るたびに親密になってるような
話聞くたびに啓太ののろけが
ヒートアップしてるような‥

そんな気が
してならなかったのでした。

⏰:09/09/17 17:01 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#29 [さち]
 
それとまるで同時進行のように
あたしの気持ちは
消えるどころか
薄れる気配さえ見えなく 、

どこかで
わかりきっていたことですが

―‥ 案の定 、 はい。

⏰:09/09/17 17:03 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#30 [さち]
 
初恋以来の感覚。

大した感覚を
得られなかったので‥

話しただけで嬉しくなったり
悲しくなって夜泣いてみたり
どうしたらいいかわからず
自分にいらいらしてみたり、

"すきって、こんな‥?"

あまりにも違いすぎたもので
戸惑いつつあり

漫画で見てたような
乙女チックな感情が
芽生えた自分が

多少 、 気持ち悪くもあり 。

⏰:09/09/17 17:08 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#31 [さち]
―‥時は流れて、2月頃のこと

たしか
啓太と奈津は
4ヶ月くらい続いてました。

相変わらずの葛藤は
多少なりともありましたが

"慣れ"てきたころです。

運動音痴な私の
一番嫌いな体育の時 、
何か嫌な予感と共に

ソレは やってきました。

⏰:09/09/17 17:14 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#32 [さち]
 
球技は 運痴(私)にとって
   最 大 の 敵 !

"ボールと友達になりましょう"
なんて事 よく聞きますが‥

ボールを触れば 突き指
とりあえず 避けてみる

ボールとは 犬猿の仲なのです。

いやいやながらも
バレーボールとやらを
やっていました。

⏰:09/09/17 17:19 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#33 [さち]
 
体育は隣のクラスと合同。

運良く ‥ 運悪く‥
奈津もバレーで
しかも 同じチーム 。

無駄に 私は
警戒していました


奈津とは
普通に話したりはしてましたが
啓太と付き合い始めてから
一言も交わしてませんでした。

⏰:09/09/17 17:22 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#34 [さち]
 
"意識してても仕方ないし‥"

そう思って私は
必死に
ボールを目で追ってました。


あたしが
運痴なのを知ってか知らずか、
奈津が私にトスを上げたので

上がったボールだけを見つめ

"バチコーン"と
ネットに当たるのを覚悟して
アタックしようとしたのです。

⏰:09/09/17 17:28 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#35 [さち]
 
なんと見事に
ボールはネット上ぎりぎりを
勢いよく抜けたのでした。

    が、

まさかの着地に失敗。
右足に痛みが走りました。

どうやらやらかした模様‥

着地するときに
奈津の足を踏んでしまい
バランスを崩したらしい

てか 、なんで
奈津の足があたしの真下に ?

⏰:09/09/17 17:35 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#36 [さち]
 
後にわかったことでしたが、
奈津は
私が着地に失敗するように
計算して
私が足を踏むように
仕向けたらしく ‥

その時は 鈍感で
偶然 なんて思ってました。


「い‥たいかも」
痛みには強い私でしたが
歩くと針を刺したような
痛みが襲いました。

⏰:09/09/17 17:40 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#37 [さち]
 
「ごめんねぇっ大丈夫??」

奈津はすぐさま
私に駆け寄った。

奈津は女の子には
好かれていなかったので
周りのみんなは

「奈津!今のわざとでしょ?」
とかなんとか
きつい言葉を浴びせてました。

違うよ とふてくされながら
私に肩を貸してくれたのですが

あれは ー‥
演技だったのでしょうか

⏰:09/09/17 17:45 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#38 [さち]
 
奈津はあたしを
保健室に連れて行きました。

途中 、
水道で啓太に会いました
"なんだか ‥気まずい。"

啓太に会えたのは嬉しいけど
隣には 彼の彼女 。

痛みやら
その状況の複雑さやらで
若干 涙目な私。

さっきまでのふてくされ顔と
打って変わって
可愛らしく微笑み手を振る奈津。

しかし ‥

⏰:09/09/17 17:50 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#39 [我輩は匿名である]
奈津って誰?

⏰:09/09/17 18:11 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#40 [さち]
 
「さっちゃん‥?何したの?!」

驚き勢いのある声で
足を引きずる私を見て
啓太は言ったのでした。

手を振る奈津をよそに 、


―‥そして
啓太が駆け寄ってきたので

「だ‥大丈夫だよっ
ちょっと挫いただけ」

隣の"彼女"の様子を伺いながら
小さな声で私は言ったのです。

⏰:09/09/17 18:14 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#41 [さち]
あ !

奈津じゃなくて
「奈緒」でした(´;ω;`)

ご指摘
ありがとうございます !

⏰:09/09/17 18:15 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#42 [さち]
 
だけど 伺うまでもなく
じわじわと何かが
こちらに迫ってくるのを
私は感じ取りました 。

「あたしが悪いの‥
あたしのせいで‥さちが‥」

無理やり割り込むようにして
奈緒は被せるように
言ったのです。

しかも ぐずぐずし始め‥

"うっそーん!
何で泣いてるのぉお"

⏰:09/09/17 18:22 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#43 [さち]
 
なんと 奈緒は
ぽろぽろと 涙をこぼし始めた。

「奈緒‥泣くなよー‥」
よしよしと 啓太は
奈緒の頭をなで
困ったように笑っていました。

「全然平気だからっ♪
き‥気にしなくていいよ !」
私はどうしたらよいのでしょう
彼女は思った以上に
演技派女優だったのです。

⏰:09/09/17 18:30 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#44 [さち]
 
何か威圧感を覚えたので

「保健室行ってくるっ」と
ぴょんぴょん飛び跳ねて
その場から逃げるようにして

私は保健室に向かいました。


"あぁ ‥ 切ないなぁ"
よしよしと奈緒を撫でた
アノ手が
私を撫でてくれればいいのに‥

何気ないことでしたが
やるせない気持ちになりました。

⏰:09/09/17 18:35 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#45 [さち]
 
ぼけーっとしながら
いつの間にか痛みなど
忘れてしまっていました。

結局 捻挫だと言われ
先生が包帯を巻いてくれました

青くなって腫れ上がった足首を
ただただ見つめて‥

⏰:09/09/17 18:44 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


#46 [さち]
 
大好きな人が
他の子を見ている現実

私に覆い被さるような
奈緒が"その子"という
認めざるを得ない事実。

ぐるぐると私を取り巻くのでした


ため息をつきながら、
保健室を出ると

"その子"が目に入りました。

演技派女優は仕事を終えた模様

⏰:09/09/17 18:47 📱:D905i 🆔:3aZEwv5E


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