タイトル未定。

その順風満帆な私に好きな人が出来た。

たぶん初恋。

いじめられてた私には好きな人なんて出来たことがなかった。

もちろん彼氏だって出来たことない。

彼氏いない歴＝年齢。

そんな恋愛経験０の私も恋する乙女になったのだ。

季節は夏。
ちょうど私が仕事に慣れてきた19才の夏。

相手は週１回はＹシャツを出しに来る常連のお客さん。

年は20代後半かな…
黒髪短髪。
至って普通のサラリーマン。

いつもＹシャツにスラックスで額に汗を滲ませやってくる。

名前は浅井さん。

指輪してないから独身だと思う。たぶん。

浅井さんは私がこの店で働く前から来てる常連さん。

お客さんから片思いの相手に変わったのはごく最近。

きっかけは私のミス。

お急ぎで預かったＹシャツを普通納期で出してしまったのだ。

もちろん普通納期で工場に出したＹシャツは仕上がって来ない。

私のミスで浅井さんのＹシャツを遅れ品にしてしまったのだ。

こんなミスは許されない。

急いで浅井さんに謝罪の電話を入れた。

面白いです♪
文章見やすいし。

更新無理しない程度に頑張って下さい☆

みわさん

ありがとうございます＞＜

今日じゃないと無理とか怒鳴られたらどうしよう等と怯えながら出るのを待つ。

ﾌﾟﾙﾙﾙ…ﾌﾟﾂ…

「はいもしもしー」

出た。

「あっ…あのクリーニングしてる佐々木って言います！」

緊張のあまりふざけた出方をしてしまった私。

「えっ？ああクリーニング屋さん？」

「は！はい！そうですそうです！あのですね！お預かりしたＹシャツなんですが私のミスで仕上がりが遅れてしまったのです！本当に申し訳ございません！本当に本当にすみません！」

とりあえず少し早口になりながらも一生懸命謝ってみた。

緊張で声が震える。

でも浅井さんは優しかった。
いやこういう人は浅井さんに限らず結構いるかもしれない。

「あー大丈夫ですよ、そんな謝らなくても。他にも何枚かあるので明後日くらいに取りに行きます。」

未熟な私を気遣ってくれていたのか誰に対してもこうなのか、いや単に面倒だから適当に言ったのかそれは分からないけど私にとってはすごく優しい口調に思えた。

「わざわざ電話までくれてありがとーね。じゃよろしくお願いします。」

受話器を戻しホッと胸をなで下ろす。

良かった…

怒鳴られると思ってた私は妙に拍子抜けしてしまい、しばらく伝票を眺めていた。

それから伝票に印刷されている名前を見る。

浅井陽一郎

いいお客さんだな。

どんな人だっけ。
浅井さん…思い出せない。

よく来る人の名前は大抵覚えてしまうのだがあまり印象になかったのか全く思い出せなかった。

それくらい意識をせずに接客していたお客さんだった。