あなたに出逢えた事は
すごく辛くて
悲しい思い出かもしれない

でも あなたに出逢えたから
今の私は本気の恋を
区別することができるんだよ

―――出逢い――

高校に入って初めての夏

彼氏もいないし
家族ともうまくいかない

だけど友達とだけは
毎日楽しくやっていた

夏といえばねぷた祭り

夏休みでの大イベントで
今年は全身白の格好で
跳ねることにした

髪も盛り、化粧もうまくいって
高校生ながら酔ってﾃﾝｼｮﾝを上げて
自分達の出番を待っていた

そんな時後ろから私を呼ぶ声が聞こえた

｢ユリ〜｣

振り向くとそこには高校でできた新しい友達がいた

一緒に跳ねると約束し
それからまたみんなで呑みまくっていた

新しくできた友達だから
男の話で盛り上がった

見た目のタイプ
中身の理想

そんなのを話している時
目の前をある男の人が通った

かっこよくて
自分より背が高い

｢あの人かっこいい｣

と言った私の指先をみた友達は
自分と同じ中学だったと言ったので
呼んでもらうことにした

彼の名前は翔太

翔太は私の顔を見て

｢ども｣
って手を振ってくれた

見た目も声もかっこいい

彼が友達の元へ帰った後
友達にそう言った

趣味悪いとか
きもいじゃんとか
散々言われまくっていたが
そんな事はどうでもよかった

ねぷたで跳ねているとき
偶然翔太と近くなり
仲のいい友達もいたので
みんなで一緒に跳ねていた

しかし
酔いがあまりにも回って
具合が悪くなり、私はその場に座ってしまった

そんな私に翔太は手を差し出してくれた

酔っていたけど
そのことはハッキリ覚えてる