私×部活×恋物語

新学期クラスで席替えがあった｡

私の隣は同じ陸上部の久隅健｡
なかなかいじりやすい奴で席が隣になる前から喋っていた｡

なにがいじりやすいかと言うと‥｡

キャラもそうだが当時152cmという久隅の身長だ｡

整列ではいつも先頭,前倣えの時は腰に手をあて皆の基準｡

ちなみに私は当時162cmで整列はもちろん後ろ｡
前倣えなんて腕が疲れるくらい｡

そんな感じでいじってたし話も意外と合う奴だったから授業に退屈することはなかった｡

隣になってからは部活中の絡みも前より増えて楽しかった｡

そんな感じで仲の良かった私たちだが,その身長差からか周りから恋愛的に言われることはなく私自身も意識したことなんてなかった｡

３ヶ月後近くたってまた席替えをすることになった｡

久隅が隣になってから授業が楽しかったから少し悲しくなった｡

恋愛なんかじゃなくて友達としてね｡
そう自分に言い聞かせながらクジを引いた｡

黒板に書いてある席を確認して私は移動した｡

｢またかよ-っ｣

‥驚いた｡
隣は久隅だった｡

偶然?奇跡??
また久隅と喋れるんだって‥とにかく私は嬉しくて久隅をバシバシ叩いた｡

その席替えのあと冬休みに入ったので授業中久隅と喋るのはまた来年｡
だけど部活でも会えるし｡
いつの間にか久隅に会うのが楽しみになっていた｡

でも‥恋愛なんかじゃない｡

冬休みはあっとゆ-間ですぐに新学期はやってきた｡
隣にはやっぱり久隅｡
楽しくてしょうがなかった｡

毎日いじって毎日笑っていた｡

｢てつと久隅ってあの漫画みたいだよね｣

ある日クラスの友達からイキナリ言われた｡
あの漫画とは当時流行ってた大きい女の子と小さい男の子の恋愛漫画のこと｡

｢やめてや-っ!
私あいつのことそんな風に見てないっつの!｣

私は笑って答えた｡

｢恋愛じゃなくて絡みがさっ!笑｣

友達はそう言って笑ってた｡
私は笑いながらもなんだか複雑だった｡

あいつと恋したらそ-なるのか‥｡
あの漫画みたいに｡

それから私は少しだけ久隅を意識するようになった｡
今までより絡みが必死とゆ-か,喋りたがってるとゆ-か｡

そんな私の変化にいち早く気づいたのは西田だった｡

｢てつ,久隅に惚れたんでしょ?｣

ある日の部活帰り西田と帰っていた時,西田は見透かしたように言ってきた｡

｢んなっ!まさか!笑｣

必死な私｡

｢ウチくらいになると見てればわかんの!あんたの相方だよ?笑｣

こいつには隠し事出来ないな｡笑

｢なんか意識しちゃってるね｣

私は照れた｡