～ただ、ただ甘い記憶～

19歳だった私

貴方と過ごした時間

絶対、絶対忘れない…

もしもまた
いつか会えるとしたら

その時２人は
笑顔でお互いを見つめる事が出来るのかな？

それから数日にかけて
私の書き込みを見た人から何人かメールがきた。

その中で唯一異性だったのがその人だった。

彼の名前は奈津希(ﾅﾂｷ)

女の子みたいな名前だな

第一印象はそんな感じだった…

私達はお互い写メを交換後、
baroqueについてから始まり

自分の事

周りの事

くだらない話

色々な事を
毎日毎日メールで語った

奈津希は同い年で
茨城に住んでいた。

サッカー部で毎日汗を流しながら、趣味としてドラムを叩いてた

奈津希のメールはいつでも笑いに溢れてて

その頃の私にとっては
『元気をくれる気の合う大スキな友達だった』

異性のメル友なんて初めてだったから

その頃から私は何となく
奈津希を意識していたのかもしれない

写メを見る限りタイプではなかったけれど、
それなりにかっこよくて
何でも出来る奈津希は
私の自慢のメル友だった

二人の距離が急に縮まったのが高２の夏

baroqueが渋谷のライブハウスでライブをする事になった。

私は参戦する事にした。

愛沙『今度の渋谷のライブ参戦するんだ♪奈津希は行かないの？』
私は奈津希にメールで問いかけた。

出会った直前に比べ
それなりにメールの量も落ち着いていた時期だった

奈津希『まぢ？俺も友達が行けるなら行く予定だょ』
そう返信が返って来た。

私は嬉しくなりすぐに返信。

愛沙『本当！？ぢゃぁ会えるね☆あっ、そん時奈津希が聞きたいって言ってた曲MDに入れて渡してあげるょ♪』

私は奈津希にそうメールを打って
どうにか自然に奈津希に会える口実を作った。

奈津希『本当！？めっちゃ楽しみなんだけど♪』

愛沙『忘れないように持ってくから、会場着いたら連絡ちょうだいね☆』

それから私達はそんなメールのやり取りをした。

その後
お互い会える緊張感からか

ライブまでの間メールの量はすっかり減ってしまっていた

そしてライブ前日…

愛沙『とうとう明日だね☆MD渡すのライブ前にする？それとも終わってからにする？♪』

と彼にメールを送信した

奈津希はいつでも返信が早い

その時もすぐにメールを返してくれた。

奈津希『じゃぁライブ終わってからでお願いしまぁす★』

愛沙『了解☆★』

そんなこんなで当日。