さよなら、ありがとう

　
今はまだ、言えない。

だけど、強がるしか出来ないから

笑って言うから。
笑って聞いてね。

>>17
わぁ‥ありがとうございます！
すごい嬉しいです(´;ω;`)
頑張りますね★

そんな時に私の携帯がまさとさんからの着信を知らせた。

出たくない‥
てか酔っ払ってるのにダッシュしたから気持ち悪い‥やば。

ひたすら鳴る電話。

それどころじゃない私は完全にシカト。

頭ん中はひたすら
“なんで中内さんに抱き締められたのー？！”
て感じ。

電話の音が止む。

それと同時に息を切らしながら走るまさとさんが目に入る

「坂本ー！！」

‥‥もう、なんだかむかついてきた。自分ばっかり好きって伝えてずるい！！

『まさとさん‥』

「お前、いきなり泣きながら出てくから心配しただろ！！」

泣いてんのバレてたかぁ‥

「しかもお前酔っ払ってんだから、こんな所ひとりで歩いてたら‥あーもう！とにかく見つかって良かった‥まじ良かった。」

抱き締められる

中内さんの時は
“え？ちょっと待って！なにこれ”
みたいに思ったのに

不思議だなぁ。
まさとさんに抱き締められたら素直に涙が溢れちゃって。

もう泣いちゃってるのに
バレてんのに。
泣いてんのバレない様に下唇噛んで声を我慢する。

「泣きたい時はおもっきり泣いとけー。お前の泣き顔もわりと好きだ『好き』

冗談混じりに言う、まさとさんの言葉を思いっきりさえぎった私の言葉。

「は？え？なに？」

『好き』

やっと、言えた。
ただ伝えたかっただけなの、本当だよ。

こんな私の居場所になってくれて
こんな私に“今日も可愛いね”
なんてお世辞言ってくれて
色んな愚痴を聞いてくれて
ドライブ連れてってくれて
沢山笑顔見せてくれて
沢山笑顔にさせてくれて

私の“好き”には
伝え切れない位の感謝が沢山入ってたの。
‥知ってました？

「‥‥‥ちょ‥やば‥待って」

ふと、まさとさんの顔を見ると
泣きながら笑ってる。

「やべ‥っ‥幸せ。てかこっち見んな！」

『泣き虫ですねっ』

「それお前に言われたくねー」

そんな事言いながら笑い合った。

だけど、まさとさんには
大事な奥さんと大事なお子さんが居て。
一緒になりたいなんてそんな事を望んで言った訳じゃなくて。

違う。

私が気持ち伝えた時はね、さよならの時だって決めてた。だから‥

『まさとさん、さよなら！もう私、まさとさんと遊んだり一緒に飲んだり‥しません！』

「え‥‥いや、‥は？」

「なんでだよ、せっかくお前の気持ち知れたのに。」

『気持ちを知ったからです。』

「こんな好きなのに‥なんで一緒に‥いや‥俺のせいか」

『“俺のせい”なんて言わないでください、ちがう。私がね、ちゃんと‥伝えないで自分の気持ち我慢出来たらもう少し一緒に居れたと思います』

もうお互い涙で顔ぐしゃぐしゃ。

「もう少し‥早くお前に出会いたかった」

「お前すぐ強がるから心配だよ。その癖寂しがりやだし泣き虫だし、‥なのにひとりで頑張ろうとするから心配だよ。」

なんでこの人私の性格こんな知ってんだろー。

『いや、別に寂しがりやじゃないし泣き虫はまさとさんだし、‥全然、そんな心配とか‥』

当たりすぎてて返事がしどろもどろ。

「じゃあさ、今日の夜だけドライブ付き合ってよ」