ミカンセイ

今の二人が違和感あると思うのはあたしだけかな？

違和感を感じてるのはあたしだけかもね

君だって今も前へ進む

今のあたしは立ち止まって踏ん張っているのが精一杯なんだ

けんの家に着くと真っ暗

そりゃぁ、こんな時間だしね

リビングにゆりを座らせ落ち着かせていたら、
『ただいま～』
と女の人の声

パッと後を向くとけんにそっくりな女の人

まあが
『けんのお母さんお邪魔してます』
とニッコリ

ゆりも
『おばさん、お邪魔してます』

ゆり、けんの家来たことあるんだぁ･･･

ん？

えー!!
この人お母さんなの？
若い！
と思いながらあたしは
『お、お邪魔してます』
とどもってまた苦笑い

けんはそっけなく
『こいつら今日泊まるから』
と一言。

けんのお母さんも
『そう』
とけんには一言

まあとのほうが仲良く話している

ある程度話して、けんのお母さんは自分の部屋へ行き、あたし達もリビングからけんの部屋へ移動

一言で言うと、
誰が何処で寝る？！

みんなベッドがいぃと譲らない

結局四人でベッドを横にして川の字風で寝た

なかなか寝付けないあたしは携帯をいじったりしていた

けん・まあ・ゆり・あたしの順番で寝ていてあたしがドアから一番遠く、身動きができなかった

でも、猛烈にトイレに行きたくなりみんなを踏まない様に股がってトイレに行った

トイレから戻ると、あたしの寝る場所がない！

やられたー
と思いながらも寝れなかったしいっかと半分諦め

また携帯を手に取り受信メールを見ていた

まだ元彼からの保護してあったメールを発見し、消去した

その瞬間
『寝れないの？』

後を振り向くとけんが寝ながら訪ねる

『ん？寝れない？』
と催促する様にまた聞く

『いや、寝る場所が･･･』
状況を把握したけんが慌ててまあとゆりに
『お前等つめろー』
と二人を押した

そんな光景を見ていたらけんが自分の横をぽんぽんと叩いた

『これなら寝れるべ？』

『ありがとう』
と口にしたが相変わらず苦笑い

あたしが寝るまで少し話した

学校の事
日常の事
好きな物
嫌いな物

そのうちに眠くなっていつ寝たのか覚えてない

嫌な夢を見たのは覚えている

元彼から言われた言葉

あの状況がリピートされる
夢でも泣いて夢見ながら本当に涙が出たんだと思う

言われた時もその後も涙出なかったのになー
なんて夢と現実の間をさ迷ってると、涙を辿って誰かがその涙を拭く

ゆっくり重い目を開けるとけんが居た

ん？
とした表情で心配した様に顔を覗いていたが、小さく首を横に振りまた重い目をゆっくり閉じた

けんが涙を拭いて頭を撫でてくれるのが心地よくて何故か安心できてまた眠りについた