あなたしかいないから

あたしの小学校からの
友達のももは、
そう言った。

｢見てるだけでいいの｣

そう言ってあたしは、
鞄を持って教室を出た。

｢ももばいばーい。｣
教室のドアでももに
別れを告げると
下駄箱までダッシュした

階段にたまってる
先輩と目が合うと
やばいらしいよー

ｸﾗｽで噂になっていた
だからももが部活の日

あたしは、いつも
一人でダッシュして
目が合わないように
帰っていく。

｢1-2組の橋本さん。｣
呼ばれた…

こんな日によって
先輩と目が合ってしまった
｢なにみてんの？
先輩すいませんでした。
って言えよ。｣

｢先輩すいませんでした。｣あたしは、大人しく
先輩に謝罪した。

先輩に謝罪
する意味がない。

｢ふーん。じゃあ
今から職員室行ってきて
佐藤呼んでこい。
そしたら帰っていいよ｣

佐藤とは体育の先生。

｢わかりました。｣

あたしは、
職員室までいって
佐藤先生を呼び
やっと下駄箱へ。

｢なつ？先輩のパシリ？｣
健太……。
｢今日だけね～。｣
あたしは、苦笑いした
｢だっせー。笑｣

｢あれ？今日勇樹は？｣

勇樹と健太は
いつも一緒にいるから
おかしいなと思った

｢なに？気になるの？｣
靴をしまいながら
あたしのほうを
怪しげにみて笑ってる

｢なに？｣
怖い…ただそれだけが
頭に残ってて…

｢これから部活だから
またなー。｣
って走ってった。

さて、帰るか。
そう思ったあたしは、
くつを履いて

下駄箱から
思いっきり飛び出した

ｯドンｯ!!
誰かとぶつかった
衝撃であたしは、
地面に転げた。

いつもあたしは、
ドジだったから
健太は馬鹿にしながら
助けてくれてたからな

また健太が
くるとか期待してた

｢大丈夫？｣
勇樹じゃん…

｢大丈夫。｣

なぜか周りを
見渡してしまった

健太がボールを
あやしながらこっちを
心配そうに
見てたんだ。

でもそんなの気にも
とめなかった。

勇樹…
あたしは、この時から
時は進んでいたと思う

｢まぢごめんな…？｣
勇樹がずっと謝るから

｢大丈夫だって
もういいから｣

平常心を保って
いられるかななんて
思いながら
制服の砂をはらった

｢一緒に帰っても
いいかなー？｣

勇樹が不安そうに聞いて