お前のいた8年間
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#1 [H] 10/04/24 16:16
あの時の二人は子供ながらに一つの約束を守ろうと必死だった

「俺がいるから」

ガキだった俺はお前を守るだなんてキザな想いを心の中でずっと思っていた

お前には俺しかいないと
俺にはお前しかいないと

約束を、守れなくて

ごめん。

#10 [H]
まぁまだ1ヶ月だったが、ほとんど笑わない同じクラスの女がいた。

それがお前だった。

俺はもちろんこの1ヶ月の間、おはようとかばいばいとか話しかけたりもした。けどことごとく全部シカトされた

⏰:10/05/02 02:44 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#11 [H]
だからなんとなく3回目以降は声をかけなくなった。

女子は学校では皆肩に髪がつく奴は髪を結わなければならず、あいつも髪を一つにくくっていた。前髪はセンターでわけたサラサラで長い髪だった。
その髪を校門を出たらさっとほどく姿が無性にかっこよく見えていたガキな俺。

⏰:10/05/02 02:47 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#12 [H]
まわりの皆より少し大人びて見えた。

いつの間にか気になって気になって仕方なくなっていた

ある日の放課後グランドで部活をしていたら端のほうでこっちを見ているお前を見つけた

俺らはまだ一年でランニングをかなりさせられていて、こんな姿ばかり見られるのが恥ずかしくて、帽子を深くかぶりずっと下を向いて走った

⏰:10/05/02 02:51 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#13 [H]
ランニングが終わり休憩時間になって俺は他の部員の奴に
「あいつ同じクラスの奴だったよな?」としらじらしく聞いた
「どれ?あーそうそう河井!なんしてんやろ?」

俺はすかさず
「お前聞いてこいよ」
と、照れ隠しで笑いながらそいつの肩をおした

そいつは天然なのかあほなのか「おう!」とか行って聞きに行った

⏰:10/05/02 02:56 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#14 [H]
そいつが話し掛けるとお前は初めて笑顔を見せた

俺にはシカトしたくせに。
無性にムカついたのははっきり覚えてる

そいつが俺の所にきて
「野球部のマネージャーに先輩な誘われてちょっと通りすがりに見てるだけだってさ!嬉しいよな!あんな美人入ってくれたらさぁ!!!」そういった

⏰:10/05/02 02:58 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#15 [H]
「は。どこが。全然美人やねーわ」
俺ははぶて気味に言った
俺は走ってお前のほうへ向かった

「お前、練習の目障り。帰れ」

思ってもないことを言ってしまった

⏰:10/05/02 03:01 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#16 [H]
しゃがんでた河井はきょとんとした顔で俺を見上げて一言
「背でか。何センチやの?」

「171。」

普通つっこむところだが、初めて返事が返ってきた事がうれしくてうれしくてつい答えてしまった
171は決して高い数値ではないが、のちの高校3年間で10センチほど伸びたのは男として嬉しい限りだ。

⏰:10/05/02 03:06 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#17 [H]
私は157センチ。と俺に告げて
ふぁーとあくびをしてだるそうに帰って行った



これが初めての俺とお前の会話。
俺はいつの間にか河井に惹かれていっていた
気になる存在の大きさは日に日に増して言った

⏰:10/05/02 03:09 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#18 [H]
初めて会話を交わしてから
俺は毎日河井に挨拶をした

無視されることもあったが返事を返してくれることもあった

全ては彼女の気分しだい

もうすでにお前のペースに持っていかれてたよな

⏰:10/05/03 02:17 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


#19 [H]
気付いたらもう季節は冬。12月
野球部には唯一の冬休みが楽しみだった。

でも、春の甲子園の選抜メンバーに入りたくて、毎日毎日バッティングセンターに通いつめた

⏰:10/05/03 02:21 📱:N906imyu 🆔:☆☆☆


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