好きになって、ごめんね。

きっと叶わないこの想い。

それでもあたしは
あなたが大好きすぎて
大切すぎて忘れられない。

好きになって、ごめんね。

最初にメールしたのは
あたしのほう。

ユウキとのメールは
すごく楽しかった。

"ユウキってまじバカだよね～"
"お前に言われたくないわ"

こんなバカみたいなメール。

高校生のように
毎日メールをした。

でもね、思いだしたんだ。
ユウキには
彼女がいるんだって。

過去に経験した。

彼女いる人を
好きになったって
つきあえる可能性なんて
ほんのわずかしかない。

きっと今回も
傷つくだけで終わるんだって。

ここで諦めていたら
こんなに苦しまなくても
よかったのかな。

ユウキが家に遊びに来た。

彼女いるのに
違う女の家にくるなんて
いいのかな？

あたし、遊ばれるの？

いろんな考えが
頭をよぎったよ。

それでも嬉しくて
あたしは彼を家にあげた。

一緒に話して
バカにされて
大笑いして……。

たったそれだけ。

それから数日後、
ユウキが彼女と別れたと
あたしに言ってきたんだ。

いやな女なのは分かってる。

だけど、思ってしまった。
よかった、嬉しいって。

『まじでテンションさがる』

ユウキは言ってた。

もう好きじゃないって
言ってたのに、

ユウキからは
振らなかったんだって。

『一回付き合ったら、責任みたいなものがあるんだよ』

あたし、ユウキの
恋愛の価値観が
全く分からなかった。

それから、
ユウキはメールでも
ﾞ遊びたいﾞという言葉を
送ってくるようになった。

大学生ならみんな
そう思うのだろうか。

それでもあたしは
ユウキにとって
特別になりたくて
また家に呼んだんだ。

きっと、手を出されてしまう。

分かっていた。

ユウキにとって
私は遊びの対象。

だけどキスをされて、
すごく嬉しかったんだ。

バカな女って
誰もが言うと思う。
わたしもそう思う。

こんな関係になってしまえば
あとには引けないのに。

わたしほんとは
全部が初めてだった。

でも、好きな人なら
いいんだって言いきかせた。

思わず出た
ﾞ好きﾞって言葉に
ユウキは
困った顔をしたね。

きっと、禁句だった。
言わなきゃよかった。

これで終わりか、って
ユウキの胸に
ぎゅっとしがみついた。

『風邪ひくなよ』って、
そういう優しい言葉さえ
私を傷つけるには十分だった。