鬼 × 嫁＝幸子

俺達は食事を済ませてびっくりドンキーをあとにした｡

｢いい時間になってきたし買い物しよう♪♪｣
と幸子は大はしゃぎ｡

(俺も給料出たし服買ってもええかな｡)
俺も買い物に期待を膨らませた｡

｢今日は俺も服買ってええ？｣
幸子に確認した｡

何故､幸子に聞くかって？
俺達の金は幸子が管理しているからだ｡

あんたにお金持たせたら使いすぎる！
と通帳まで取られる始末だ｡

俺達はどちらも働いており､
お金にはそれほど困らなかった｡

｢もちろん！純ちゃん先月頑張ったもんね｡純ちゃんの服も買おうね♪♪｣
と幸子は言ってくれた｡

俺は不動産業に就職していて売り上げが良かったからこの月は給料が約６０万くらいあった｡

(よっしゃ♪いっぱい買って自分の為､幸子の為にお洒落になろう！)

｢でも､あんまり使いすぎるのも良くないから１０万円まで使うことにしよう！｣
幸子は言った｡

幸子はお金の面に関してはすごいしっかりしていた｡

(このへんはさすが年上の女だ｡)
なんて思った｡

実は幸子は俺より４歳年上の女｡

顔もそこそこ可愛いので周りからも羨ましがられたりもした｡

(１０万ってことは一人５万ずつやな｡５万やったら結構買えんな♪♪)
俺はココロオドル状態だった｡

まずは幸子の店から入った｡

｢イラッシャイマセ♪｣
可愛らしい店員さん達が迎えてくれた｡

幸子は店内を色々見て回ってた｡

｢これ可愛い～♪｣
と言ってＴシャツ２枚を買ってその店を出た｡

(さあて次は俺の店やな♪どこで何買おう！)

｢純ちゃんこっち､こっち♪｣
幸子が俺の手を引っ張った｡

(え？どこ行くんだ？)

幸子が向かった先は…
また女性用の店だった｡

(またこいつの買い物かよ！めんどくせー｡)
なんて思っていた｡

ここではデニムを買って店を出た｡

｢じゃあ､次はあっち♪｣
幸子が言った｡

(こいつ…まさか…！？)

そのまさかだった…｡
また幸子の買い物だ｡

(このくそ女が！！)

それから3件くらい幸子の買い物が続いた｡

｢私は大体これくらい♪そろそろ純ちゃんの買い物行こうか？｣
やっと待ちに待った言葉が出た｡

(キタぁぁあああああー！その言葉を待ってたんだよ､俺は｡どの店行こうかな！あっ｡なんばパークス行こうっと♪)

｢純ちゃんのお店はこっちね♪｣
幸子がわけのわからないことを言った｡

(は？そっちなんばパークスとは逆方向ですけど？)

とりあえず幸子の後をついて行ってみると､
｢到着やで♪｣

俺の目の前にあったのはユニクロだった｡

｢え？なんでユニクロ？｣
俺は聞いた｡

｢だってユニクロ安くてええやん♪｣
幸子が答えた｡

(確かにユニクロは安くていいものがある｡まー､見てみよか♪)
俺はそう思い､店内に入ることにした｡

案の定､ユニクロは素晴らしかった｡

俺はデニムやシャツ､およそ1万円くらいの買い物をしてユニクロをあとにした｡

(次はなんばパークス♪ふんふんふん♪)
俺は上機嫌に鼻歌を歌いながら歩いてた｡

突然､幸子の口からとんでもない言葉が出た｡

｢なら帰ろっか？｣
幸子はこう言ったんだ｡

(は？今なんてこいつ？帰るとかぬかさへんかった？)

｢なんて？｣
聞き間違いかと思い確認した｡

｢だーかーらー！帰ろ！｣
確かに幸子はこう言った｡

(は？こいつふざけんなよ？)

｢いや､俺まだ1万円くらいしか買ってへんやん！｣
こんときの俺はキレてたと思う｡

｢え？今ので大体10万円くらいいったで？｣
幸子は平気な顔で言った｡

(え？え？どういうこと？俺1万しか買ってないぞ｡)

｢ウチが9万くらい使ったもん♪｣

(なんだってぇぇえええ！？)