はるゆめ
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#1 [SORA] 07/09/21 23:27
<font size=3>わかば高校
2年 3組

窓ぎわの、一番うしろの席。


そこが、
美雨の席だった。



春野 美雨
17才。


身長は、
高くもないし、
低くもない。


髪はショートで、
目が大きい。

#10 [SORA]
『大丈夫?』
と心配されて、

けっこうな時間、
自分がぼおっと
していたことに
気が付いた。

手にもった
コーヒーは、
いつのまにか
ぬるくなっている。

⏰:07/09/22 00:33 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#11 [SORA]
「ごめんごめん。大丈夫だよ!で、何だっけ?」
と、
話を聞いてなかったことを軽く謝った。

『だから、さっきライブで女装してた人だよ。意外とかっこよくなかった?』


何故か、ドキっとした。

⏰:07/09/22 00:37 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#12 [SORA]
「そうかなあ…。別に普通だよ」

と、
あいまいに返して、

「ごめん。ちょっとトイレ!」


と言って、その場から離れた。

何となく、その話は聞きたくなかった。

⏰:07/09/22 00:41 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#13 [SORA]
みんなから離れて、美雨はひとり、
あてもなく歩いていた。

焼そばとか、ポテトとか、たくさんの店が並んでいる。

でも美雨は、あんまり人混みが好きじゃなかった。

旧校舎の方は、遠くて人かが来ないので、店はない。

あるのは美術部や書道部などの展示品くらいだ。

美雨は旧校舎の方へ歩いていった。

⏰:07/09/22 00:46 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#14 [SORA]
旧校舎に着いてみると、思ったとおり、ほとんど人が居ない。

美雨は、一階から順に
展示品を見て回った。

旧校舎は5階建てだが、
展示品があるのは3階までだった。

やることがなくなって、ぼおっと窓から外を見ると、

文化祭だと言うのに、そこだけ別世界のように静かで、

遠くから、にぎわう声が聞えてきた。

⏰:07/09/22 00:53 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#15 [SORA]
その声に耳をかたむけていると、聞き覚えのある曲が聞えてきた。

よく耳をすますと、上から聞えているのだとわかった。

屋上で、誰かが歌っている。

反射的に、美雨は階段へと走っていた。

⏰:07/09/22 00:57 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#16 [SORA]
屋上のドアの前まで来て、乱れた呼吸を整えた。

やっぱり誰か歌ってる。

優しい歌声で。

少しだけ、淋しそうに。


美雨は、その人に気付かれないようそっと、ドアを開けた。


…はずだった。

⏰:07/09/22 01:01 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#17 [SORA]
ギィー。

そうっと開けたはずのドアは、開け方とは対照的に、ビックリするほど大きな音を出して開いた。


その瞬間、
歌声は止み、歌っていたそのひとは、いきおいよく振り返った。

⏰:07/09/22 01:05 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#18 [SORA]
「ごめ…っ」

<ごめんなさいっ!!>

…?!


覗こうとしたのがばれて、謝ろうとした美雨より先に、力也が謝ってきた。

「はいっ?」

美雨が驚いていると、眉間にしわを寄せて、力也が近づいてきた。

<相場…じゃねえの?>

相当近くまで来て、

<なんだっ!ビックリさせんなよ〜。見つかったかと思った>

と言って、笑った。

ライブの時と同じ笑顔。

⏰:07/09/22 01:14 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


#19 [SORA]
美雨がその笑顔にみとれていると、力也はまじまじと美雨の顔を見てきた。

その視線に気が付き、美雨が

「な、、何ですか?」

と聞くと、力也は

<もしかしてライブ見てた?>

と聞いて来た。

⏰:07/09/22 01:21 📱:N901iS 🆔:☆☆☆


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