怖ぃ系が無理な人ゎ来なぃでね

{※ケータィごっこの相手}

解約済みの携帯で、幼ぃ娘が楽しそうに話してぃる―
これは、五歳になる私の娘の話です。
女の子というのは、男の子よりもおませなのか、上の二人のお兄ちゃんはそうでもなかったのですが、いつの間にか周りの大人の口癖や習慣をまねるようになっていて、妻や私を驚かせるコトがしばしばありました。そんな娘の性格からいって、当然といえば当然なのですが、私が仕事で使う携帯電話に興味を持ちはじめました。
五歳の娘からみれば、私が相手もいないのに、突然笑ったり、ぺこぺこおじぎしたりするのが、面白そうに見えたのかもしれません。

ﾒチｬおもろそｰ

ずｯと読みたいンで最後まで頑張ｯて下さいね

☆智☆ちあω
めぐちあω
緋色ちあω
ちあω
カﾖちあω
ぁν）ま㌧ケータィ電話σ本当（⊇ぁっﾅ⊇話をカキカキ∪τ行くστ゛ぁげっぉ願ぃ∪ま⊃ね

翌日、私はさっそくSにケータィ電話のことを確かめてみました。

「ははは、大丈夫だよ。君にやる前にちゃんと解約してあるから」

Sは一笑に付しました。私は、緑の光がつくことも一応伝えました。

「え？そうかい。通話中しかつかないはずなんだけど。まあ、軽い故障かなんかで内蔵電池がもれてるんじゃないか。危険なことはないから大丈夫、大丈夫」

私はとりあえず、Sに迷惑がかかっていなかったことにほっとしました。

でも、やっぱりおかしいのです。

Sに確認してから二週間、Sからケータィをもらってからは、一ヵ月ほど経つのですが、まだ緑の光は点滅しています。充電もしていないのに、内蔵電池がそんなにもつはずはありません。

あいかわらず電話ざんまいの娘をよくよく観察していると、娘の小さな頭の脇にぴょんと突き出て見えているアンテナの、緑色の光が、ちらちらと不規則に点滅しています。それはちょうど娘がうんうんとうなずきながら話を聞いているような時だけで、娘が話しだすと、ぴたりとやむのです。

まるで電話相手の言葉か声量に合わせて、点滅しているようなんです。

その後も何度か娘の電話を取り上げようとしたのですが、結局いつも大泣きするので、私のほうが折れてしまいます。

娘が寝ているあいだに、いろいろいじってはみたのですが、光もつかないし、耳にあてても何も聞こえません。
ただの古いケータィなんです。

こっそりとショップに行って、みてもらおうかと考えたこともありましたが、翌朝、手におえないほど娘が騒ぎつづけるので、このときもケータィを娘に返してしまいました。

でも、娘のケータィは間違いなく、まだ生きています……。

今はただ、娘がケータィに飽きるのを、ひたすら待っています。