――６／１５・05:30――

　朝起きたら何をするか、
そんな事を一々思い浮かべなくても体が覚えているものだ、まぁ、人に因って多少の差異はあると思うが…。
取り敢えず時計を見る、
（うげぇ、五時半だよ…）
と、まぁ、予想より早く起きて得したと思える人も居るだろうが、自分的には出来るだけ長くそう１分１秒でも惰眠を貪りたい訳で二度寝する事に決めた。

　　　 ――07:48――

突然目が覚めた。
別に目覚ましを掛けた、とか幼なじみの女の子が起こしに来た訳でも無く…、
（幼なじみなんぞ居ないが）
あれだ、悪い事が起こる前の第六感的な覚醒だ。そんな物が人間に在るかは知らないが。
ともかく起きてしまった事は仕方無い、三度寝なんぞ年金暮らしのジーさんや赤ん坊の特権だからな。
（原減ったな…）
台所に行けば食う物も在るだろう、仕方無しにベッドから這い出して部屋を出る。

　　　 ――07:52――

何気なく開けた冷蔵庫の中に大量のチョコレートが入っていた。
『何だよ、コレ？』
自分は甘い物を好まない、はっきり言ってしまえば大嫌いだ。
だから、この家の何処を探しても甘味は出て来る訳でもなく、甘党の同居人なんて者は存在しない…一人暮らしだからな。
オーケィ、自分は寝ぼけているんだ。幻覚のチョコレートも自分に見つめられてては引っ込みが付かないだろうから、一度蓋を閉めてやる、だから大人しく消えてくれ。

　　　 ――07:55――

一度閉めた冷蔵庫を再度開けると…ほらご覧の通り、さっきまで不法占拠していた物体は綺麗サッパリ消えている。
（やっぱ見間違いか…）
何はともあれ空腹を癒やす為に冷蔵庫の中を弄ると、出て来ましたよハムと卵、ってな訳で朝飯は胃袋達の激烈な要望に依りハムエッグになりました。
（しっかしアレは何だったんだろうな？）
フライパンを動かしながら先程見た怪現象に頭を捻らせていたら、ハムエッグが完成していた。
『分からん物は分からない、取り敢えず腹ごしらえするか』
胃袋が悲鳴を挙げてるしな。

　――６／１５・05:30――

いきなり目が覚めた。
朝起きたら先ずは背伸びをする、それが私の習慣だ。
（ん〜良い天気）
カーテンを開けると朝日が輝いている、今日は一日中晴れる事間違い無しって感じ。
（折角だからランニングでもして来ようかな）
顔を洗い、歯を磨き、ジャージを着て…さぁ準備万端。
『やっぱ、早起きするものね。だってしたい事出来る時間が増えるもの』
そして玄関を出た。