大相撲夏場所８日目は２１日、東京・両国国技館で行われ、ここまで無敗の横綱・白鵬は琴奨菊を上手出し投げで、日馬富士は千代翔馬を押し出しで下して８連勝。ともに全勝で前半を折り返した。

　左上腕付近に負傷を抱える横綱・稀勢の里は碧山を寄り切って２敗をキープ。３連覇へ望みをつないだ。

　トップの２横綱を１差で追う関脇・高安は嘉風をはたき込みで破り７勝目。大関昇進へ、また一歩前進した。

　大関陣は、照ノ富士が御嶽海をきめ出しで退け２敗を守ったが、豪栄道は不用意な引きから遠藤に寄り切られ３敗目を喫した。

「大相撲夏場所・９日目」（２２日、両国国技館）
左上腕部などに負傷を抱える横綱稀勢の里は平幕栃煌山に寄り切られ、３場所連続優勝が絶望的となる３敗目（６勝）を喫した。２つ目の金星を配給し、患部の状態次第では休場危機にも立たされた。栃煌山は４つ目の金星獲得。横綱白鵬が碧山を上手出し投げ、横綱日馬富士は玉鷲を寄り切って、初日から９連勝でトップ並走。大関とりに挑む高安が勝ち越しを決め、ただ１人、１敗で全勝の両横綱を追う。(

◆大相撲夏場所１０日目　○琴奨菊（寄り切り）稀勢の里●（２３日・両国国技館）
　１９３７年夏場所の双葉山以来８０年ぶり４人目となる初Ｖからの３連覇が絶望的となった横綱・稀勢の里（３０）＝田子ノ浦＝が関脇・琴奨菊（３３）＝佐渡ヶ嶽＝と対戦した。
稀勢の里は過去の対戦成績３０勝３３敗と負け越しているライバルに立ち合い負け。左もさせず、がぶられると、あっさりと土俵を割った。　前日に続く黒星で４敗目。優勝争いから脱落した。

大相撲の横綱・稀勢の里（３０）＝田子ノ浦＝が夏場所１１日目の２４日から休場することになった。この日、日本相撲協会が発表した。「左大胸筋損傷、左上腕頭筋損傷。約１か月の通院加療を要する」との診断書を同協会に提出した。
　東京・江戸川区の部屋で取材に応じた師匠の田子ノ浦親方（元幕内・隆の鶴）はほ「本人が『相撲にならない。ちょっと力が入らないので休場させてください』と言ってきた」と説明。１０日目の琴奨菊戦の敗戦後、師弟で話し合い、最終的にこの日の朝決断したという。長期休場に関しては否定し「来場所があるので。それに向けて治療していく」と名古屋場所（７月９日初日。愛知県体育館）の出場を目指す方針を示した。

大相撲夏場所１１日目（２４日、東京・両国国技館）横綱白鵬（３２）は、かど番の大関豪栄道（３１）を上手ひねりで下し全勝を守ったが、横綱日馬富士（３３）は小結御嶽海（２４）に寄り切られ、土がついた。大関とりの関脇高安（２７）は平幕栃煌山（３０）をはたき込み２敗を守った。横綱稀勢の里（３０）は日本相撲協会に「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約１カ月の通院加療を要する」との診断書を提出して休場した。

　２敗は大関照ノ富士（２５）、高安に平幕宇良（２４）、栃ノ心（２９）の計４人。

◆大相撲夏場所１３日目　○高安（はたき込み）日馬富士●（２６日・両国国技館）

　１２日目に１０勝目をあげ、三役３場所３３勝という大関昇進の目安をクリアしている西関脇・高安（２７）＝田子ノ浦＝が、東横綱・日馬富士（３３）＝伊勢ヶ濱＝をはたき込みで破り、１１勝２敗と星を上乗せした。

　左四つで組み止め、右上手を引いた高安は、右上投げが外れ、バランスを崩したが、落ち着いて攻め直し、はたき込んだ。

　これで高安は３場所連続１１勝以上をマークし、大関昇進へさらに好条件をクリア。

　１４日目は、高安は西前頭５枚目・正代（２５）＝時津風＝と、日馬富士は西大関・豪栄道（３１）＝境川＝と対戦する。

大相撲夏場所１４日目（２７日、東京・両国国技館）横綱白鵬（３２）が大関照ノ富士（２５）を寄り切り、１４連勝で６場所ぶり３８度目の優勝を飾った。大関昇進を確実にしている関脇高安（２７）は、平幕正代（２５）に寄り倒され、３敗目を喫した。

　けがや不振により先場所までの５場所では１１勝が最高だった白鵬が、全勝優勝した昨年夏場所以来の賜杯をつかんだ。

　自身が不振に陥っていた時期に、話題をさらった横綱稀勢の里（３０）が左上腕などの負傷で１１日目に休場を決断。火花を散らす宿敵との横綱対決は今場所も実現しなかったが、改めて存在感を見せつけた。

　３月で３２歳になった。過去５場所は頂点から遠ざかり、その間は全休も含めて２度休場した。通算１０４７勝の最多記録更新へ、史上最多優勝を誇る第一人者が、完全復活を果たした。

　大相撲夏場所１４日目が２７日、東京・両国国技館で行われ、ここまで全勝の横綱・白鵬が２敗で追う大関・照ノ富士を寄り切りで下し、自身の持つ最多優勝記録を更新する昨年夏場所以来６場所ぶり３８度目の優勝を決めた。

　十両は５敗で並んでいる錦木と安美錦の２人が千秋楽で直接対決し、勝った方が優勝となる。

　▼白鵬の話　（３月の）春場所を休んだ分、暴れてやるという気持ちだった。初日から飛ばした。責任を果たしたという思いが大きい。（１年ぶりの優勝に）今回はひと味違う。長かったな。（千秋楽は）気持ちよく終わりたい。

＜大相撲夏場所＞◇千秋楽◇２８日◇東京・両国国技館
１４日目に３８度目の優勝を決めていた横綱白鵬（３２＝宮城野）は、横綱日馬富士（３３＝伊勢ケ浜）を寄り切り、１３度目の全勝で花を添えた。

　大相撲の関脇高安（２７）（本名・高安晃、茨城県出身、田子ノ浦部屋）について、日本相撲協会の八角理事長（元横綱北勝海）は夏場所千秋楽の２８日、大関昇進を審議する臨時理事会を３１日に開催することを決めた。

　理事会で過去に昇進が見送られた例はなく、昇進が事実上決定した。

　高安は千秋楽の照ノ富士戦で敗れて１１勝４敗で場所を終えたが、昇進の目安とされる直近３場所合計３３勝を上回る３４勝を挙げ、今場所は１３日目に横綱日馬富士を破るなど重い突き押しを生かした取り口が評価された。

　理事会開催決定を受けて高安は「まだ実感はない。結果を何とか出せて肩の力が抜けた」と話した。３１日の名古屋場所番付編成会議と理事会で昇進が正式に決まり、伝達式が行われる。