『ごめんなさい』なんて、言いたかねぇよ
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#2 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
光、再考
絶望とは、暗闇ではなく
暗闇の中で、手を伸ばす事も出来ない事
希望とは、手を伸ばす事ではなく
暗闇の中でも、触れたい何かがあるという事
触れたいものなど無い、と言うのなら
そもそも君が、絶望する事も無かっただろう
絶望なんて、手を伸ばした人にだけ訪れる
通り雨みたいなものだから
君の肩が濡れているのは
むしろ誇っていい
どうしようもない今日も
笑えなかった昨日も
君が何かを掴もうと、手を伸ばした証拠なんだ
一度も旅に出ようとしない、傷ひとつない船に
誰が乗りたがるだろうか
この先起こる嵐を乗り越える為に
痛みを知っている君でなければいけない
だから
「もし生まれ変わったら」なんて言わないで
:12/06/13 18:56
:T006
:WgKr8JGs
#3 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
つじつま合わせに生まれた僕等
始まりに意味が無いのなら
終わりに意味なんてあるはずが無い
生きていることに意味を見出そうというのは
とっても臆病なことかもしれない
日々、殺さなくては生きる事が出来ない
その重みに耐え切れず
対岸で吹き消される命を
眺めている事しか出来ない
その無常に耐え切れず
なすり付けられる優劣に
甘んじる事しか出来ない
その軽薄さに耐え切れず
誰も彼もが泣きじゃくる
結論とは、
肯定とは、
常に泣き言だ
だから
僕らは赤ん坊のように
「愛こそ全て」
と、泣きじゃくる
:12/06/13 18:56
:T006
:WgKr8JGs
#4 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
ムカデ
醜い姿を嘆いては、流した涙の濁流で
息も絶え絶えなムカデ程の劣等感
十代のむせかえる草いきれを焼き付けた
薄っぺらいネガフィルム程の自己愛
そんなくだらない
何もかもを捨てて
逝きたい
「もう駄目だ」を「くだらねぇ」に摩り替える
世才を装った自堕落
倦怠の最中に夢想する
死
そんなくだらない
何もかもを捨てて
生きたい
死に場所を探している
つまり
生きる場所を探している
:12/06/13 18:57
:T006
:WgKr8JGs
#5 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
少年少女
生きてるって事は脆い
ってのは百も承知だ馬鹿
あっけなく消える命を
あっという間に過ぎる月日を
大事にしないとな
なんて分かってるよ馬鹿
ファーストベースの脇に自生する名も無き草
自暴自棄な放物線を描くセンターフライ
燃え尽きていく季節のような
薄汚い日が射す渡り廊下
ロッカーの中で半ば腐敗している僕らの純心
大人は偉そうに言うけれど
そんな手垢のついた言葉は
つまらないんだよ馬鹿
少年は少年の今を生きるんだ
つってんだよ馬鹿
なんつってたら
大人になっちまったよ馬鹿
:12/06/13 18:57
:T006
:WgKr8JGs
#6 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
初雪
青森駅前に雪が降る
「遠くまで来たつもりで
振り出しに戻っていた
いや、でも、
景色は同じでも
何か変わっているのだ」などと
負け惜しみみたいに呟いて
青森駅前に雪が降る
「僕の足取が重いのは
膝まで積もった雪のせいでしょうか
降り止まない感傷のせいでしょうか
なんにしても
今年も雪が降りました」などと
引き出しの奥に仕舞った手紙みたいに呟いて
青森駅前に雪が降る
「あの日、この場所から始まったのは
片道一万五千三百五十円の
向こう見ずな逃避行と
振り向いてはいけない人生」などと
古い流行歌みたいに呟いて
青森駅前に雪が降る
とにもかくにも
流れ着いた今日を生きるのです
:12/06/13 18:57
:T006
:WgKr8JGs
#7 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
夏を待っていました
君はまだ覚えているかな
あの暑い夏の日の冒険を
あの長くて真っ直ぐな線路を歩き続けて
いつの間にか僕らは離れ離れ
そして、僕は今日に流れ着いた
あの日、僕らは世界の果てにでも
辿り着けると思っていたし
映画の結末みたいな
本のエピローグみたいな
アニメのエンディングみたいな
感動的な最終回が
いつかはやってくるもんだと思っていた
今の僕はだいたい何話目なのかな
分からないけれど
ここを最終回には出来ないよな
:12/06/13 18:58
:T006
:WgKr8JGs
#8 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
無題
はじめ、
僕の歌には名前がありませんでした
だって歌うのは僕一人だし
聴かせる人もいなかったし
初めて人前で歌い時に
名前が必要なんだ、って気が付きました
だから僕は
誰にも聴かせる予定が無くて
誰にも必要とされていない
この寂しい歌に、せめて
「無題」
と名付けました
:12/06/13 18:58
:T006
:WgKr8JGs
#9 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
爆弾の作り方
自意識の袋小路
悲鳴を上げた心象風景
窓ガラスに黒いゴミ袋
数か月分のアルバイト雑誌と
丁度同じ高さに
積み上げられたルサンチマン
「僕は特別だ」だけがよりどころの
その他大勢としての僕
一つの事から目を逸らし続けるのは
一つの事を見つめ続けるのと
同じくらい危険だ
僕は空っぽだから
戦う術がないから
皆を見返すにはこれしか方法がなかった
笑った奴らを
見下した奴らを
皆ぶっ殺してやる
bakudannotsukurikata.html
そんな僕の黒く淀んだ部分は
全部フォルダの中にしまってあって
誰にも見せられない
:12/06/13 18:58
:T006
:WgKr8JGs
#10 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
隅田川
とても大切だったはずの
僕らの特別は
まるで特別じゃないみたいに
いつも側にあったから
ずっと履いている
ボロボロのスニーカーみたいに
ジャケットが気に入っている
好きなバンドのCDみたいに
音が出なくなっても
何故か手放せないギターみたいに
当たり前に側にあったから
あの時、ずっと続くと思ってた事の殆どは
今じゃもう終わっている
じゃあ、
今、ずっと続くと思っている事の殆ども
いつかは終わってしまうのかな
信じられないけど
きっとそうなんだろうな
こんな馬鹿な僕に
ひとつだけ
文句が言えるのだとしたら
「忘れちゃいけない」は
もう忘れちゃいけない
:12/06/13 18:58
:T006
:WgKr8JGs
#11 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
カルマ
僕がくしゃみをする事で
どこかの誰かが傷ついたり
僕が食事をする事で
どこかの誰かが餓え死んだり
僕が舌打ちをする事で
どこかの誰かが憤ったり
そんな事を考えると
僕は何も出来なくなって
息を止めてみたりするけれど
テレビの中の戦場では
相変わらず人が死んでいて
それでも腹は減るから
飯の度に罪悪を感じて
ごめんなさい
僕は知らない誰かの命を救う為に
餓死も出来ない人間です
なんだか辻褄の合わない
訳の分からない気持ちが
胸の中で内部紛争
動悸がうるさい
僕がこんな事で頭を 抱えて
もうずっと眠れないのは
きっと地球の裏側で
誰かがくしゃみをしたせいだ
:12/06/13 18:59
:T006
:WgKr8JGs
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