『ごめんなさい』なんて、言いたかねぇよ
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#24 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
夜の歌

逃げて逃げて
命からがら辿り着いた夜のどん詰まりで
息を殺して身を隠して
誰にも見つからないように
誰にも責められないように

どうか朝よ来ないで下さい
僕はもうここしか居場所が無いのです
居場所と言うのもおこがましいのですが
あんな酷い仕打ちはもうまっぴらです
どうか朝よ来ないで下さい

それが叶わないのであれば
もういっそ
痛みの無いように
綺麗さっぱり消えてしまいたいのです

カーテン越しに空が白んで
また今日も逃げ果せなかったと
うな垂れて玄関のドアを開ける

それでも
晴れた空はうんざりするほど綺麗で
少し期待してしまうから
たちが悪い

⏰:12/06/13 19:02 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#25 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
逃避行

世界から逃げて
時間から逃げて
生きる事から逃げて
死ぬ事からも逃げて

それでも逃れられない
影みたいに着いてくる
まったく忌々しい
自分らしさってやつに
救われてしまったのは
まったく不本意だが
感謝してない訳でもない

何も持っていないってのは
悲しい事だけど
捨てるものがないってのは
僕達の強みかもな

僕の影よ
始まりを思えば
僕達が恐れるものは何も無い
期待する価値のない
くそったれの世の中で
僕達は始まったのだから

⏰:12/06/13 19:03 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#26 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
千年幸福論

変わらないものなどない
万物流転の宇宙のど真ん中
神か定めか知らないが
抗う人の悲しみを
無様だとは言わせない
抗ってこその人だから
悲しんでこその人だから

だから歌は終わらない
千年経っても終わらない
終わらないでと願うから
願う心が歌だから

それを虚無だと言うのなら
僕らは闇と生きている
背中合わせな生きている
矛盾をはらんだ人間です

死がマイナスではなく
0だとすれば
そもそも「生」とは矛盾でしょう

⏰:12/06/13 19:03 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#27 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
美しき思い出

シーツの上に落ちている
彼女の長い髪の毛は
果てない地平線
今の僕と、過去の僕とが
地続きである証拠だ

そこを起点とした
僕らの名も無い夜明けは
誰にも知られる事無く
秘密めいた響きで
思い出と呼ばれたりする

だが思い出も、今となっては
燃えないゴミみたいに
僕の頭の中を散らかして
それを片付けるのも
同じくらい億劫だけど

忘れたい事
忘れたくない事
分別して
片付けて
彼女が窓を開ける頃
ようやく出掛ける気になるのです

⏰:12/06/13 19:03 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#28 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
14歳

僕が十四歳だった頃
世界はとっても窮屈で
しがみ付く価値さえ無いと思っていた

世界に失望した十四歳
全部を諦めた十四歳
成功した十四歳
挫折した十四歳
しっかりしている十四歳
てんで駄目な十四歳

大人ってのは、皆十四歳なんだと
知ったのは大人になってから

その証拠に、僕は今でも
世界はくそったれだと思っている

⏰:12/06/13 19:04 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#29 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
未来づくり

僕らが駅前で歌っていた頃
世界は僕らの敵だった
恨みだけが背中を押した
ひからびた栄光が国道沿い
血も流さず潰れていた

人生は何が起こるかわからない
光と陰
喜び悲しみ
清濁あわせて飲み込んで
苦いと笑えりゃ上出来だ

傷ついたとはもう言わない
弱音はベッドに置いてきた
散々打ちのめされた僕らは
未来は変わると知っている

あんなに絶望した未来の中に
僕は今、生きている

もう駄目だと思った真夜中を
僕は背負って生きている
これから起こる悲しみも
僕は背負って生きていく

僕らは闇と生きていく

⏰:12/06/13 19:04 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#30 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
ラブソング
憂鬱が煙い六階の部屋
はめ殺しの窓に耳を付けると
沢山の車が虚しく唸って カラスが密談
ビルとビルの隙間から 天気を伺う
安ホテルの昼三時

有料チャンネルのカタログが
清廉な笑みをたたえて
交通費別のラブソング
心と心は それぞれ動かずに
人と人とが触れ合って
身ごもる気まずさを腕枕して

通販番組が音も無く賑やかで
財布の札を数えつつ
今月の支払いを思案する

ベッドがよじれてだらしなく
崇高な夢を挟んだハンバーガーにかぶりついたら
潔癖な愛がこぼれてシーツを汚した

⏰:12/06/13 19:04 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#31 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
ナガルナガル

君が
横殴りの風に殴られてまで 守っている物は何だ
君が
友達の嘲笑を浴び 顔を真っ赤にしてまで 背中に隠している物は何だ
君が
父親に足蹴にされてまで 引き出しの奥にしまっている物は何だ

君がかくまった執着心を 誰もが虐げようと
君の知られたく無い場所を がさつにノックする

でも君は決してドアを開かず
眠りにつく 一瞬前だけ
かすかな望みを餌に そいつを愛でて
昨日と今日とを生き延びた
あと一年
いや、あと数ヶ月

空を塞いでいた ねずみ色の雲が去り
今まさに太陽の光を弾いたのは
君の偏屈な執着心だ

今こそ君の番だ

⏰:12/06/13 19:05 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#32 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
ナモナキヒト

背広 背負ったギター 腕時計を気にして駅前に立つ人
白衣 茶色い髪 競技用ウェアー
ぶら下げた買い物袋 作業着 高級外車

誰もが顔も知らずすれ違う街中で
己の主義主張を声高に
名前を語っている事に
今しがた気付いたんだ

なんだか変に満足そうな
君の名前を僕は知っている
なんだかまた会えそうな気がするよ

猫背で下を見ながら歩く
僕の名前は気に食わないから
僕は少し背筋を伸ばした

今日から僕は前を見て歩く人だ

いや

前を見て歩こうとしている人か

⏰:12/06/13 19:05 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


#33 [黒猫◆JUDE8gLNR.]
アポロジー

生きているだけで 罪悪感を感じてしまう人間は
自らの小さな罪を許せない 厳しい司直とも言えるし
息をするだけで 申し訳ない気持ちになってしまう人間は
他人が自分に下す審判を見抜けない 愚か者とも言える

もし君が 君の思うように 罰されるべき愚かな人間なら
愚かな君が下す審判を 鵜呑みにしてはいけない
もし君が 自分自身の罪悪さえ 完璧に見極められる司直ならば
そもそも君は 愚かな人間ではない

君の罪悪感は 弱さでもあるし 強さでもある

君の中の小さな司法で 君と君とが徹底抗戦する様は全く滑稽だが
その自治的な劣等感は 滑稽なほど廉直だ

君が世界に謝罪する時
君は君に謝罪している
君が君を許す時
君は世界に許されている

⏰:12/06/13 19:06 📱:T006 🆔:WgKr8JGs


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