Color of sadness
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#24 [安曇]
「…ええ!軽過ぎて笑いを堪えるのに…必死になっちゃいました……よっ!!」


口ではそう言うものの、実際、青年の攻撃は軽くなどないのだ。

コノエは地面を思い切り蹴って青年の剣を弾く。一瞬だけ驚いた顔をするが、青年は直ぐに嬉しそうな、そして楽しそうな表情となった。

⏰:09/03/13 17:09 📱:W53T 🆔:hTElqRUg


#25 [安曇]
青年は体勢を立て直すと、すかさず剣を繰り出してくる。
コノエも負けじとそれを弾き、青年の肩を狙う。だが、その攻撃は簡単に避けられてしまい、コノエの剣は青年の茶の髪を揺らす事しか出来なかった。



――しまった!!


今の攻撃で完全に隙だらけとなってしまったコノエ。次の体勢に入って相手の剣を防がなければならないのに、無理な体勢をとってしまった為、直ぐに反応する事が出来ない。

⏰:09/03/16 13:07 📱:W53T 🆔:39pCtq2k


#26 [安曇]
それが分かった直後に、横腹に強烈な痛みが走った。

青年の攻撃を、くらったのだ。


「ぐあぁ…っ!」

痛み耐えられず、コノエは呻き声をあげ、地面へと崩れ落ちる。
あれ程強く握り持っていた剣も手からはなれ、カキン…と音を鳴らして、倒れたコノエの足元へと落ちた。

⏰:09/04/03 02:14 📱:W53T 🆔:DPZefR1w


#27 [安曇]
同時に響く、敵達の歓声。痛む横腹を庇いながら砦の最上階――屋上を見れば、そこには大勢の敵が侵入していた。
そして、青と白で塗られた大きな旗が、掲げられていたのだ。

それはコノエ達訓練生の負けを意味していた。




「コノエ!!」

⏰:09/04/03 02:24 📱:W53T 🆔:DPZefR1w


#28 [安曇]
アッシュが慌てた様子でコノエへと駆け寄り、横たわるコノエの上半身を起こしてやる。


「大丈夫か?!」

「…ん、大丈夫。……加減とか一切無かったから目茶苦茶痛いけどね…」


アッシュに支えられ、コノエは横腹を擦りながら、その痛みをつくった張本人である青年を睨み付けた。
青年はその睨みを気にする事なく剣を鞘へとしまい、一つ息をつく。

⏰:09/04/03 02:34 📱:W53T 🆔:DPZefR1w


#29 [安曇]
「お前なぁ…もし俺が持っているのが真剣だったら痛いじゃ済まないんだぞ。それに、戦場で手加減する奴だって居ない」


青年は呆れた声で言う。
その言葉にコノエは、青年の腰に下げられた訓練用の剣(刃が潰されたもの)を見て、もしこれが真剣だったら……きっと自分はもう息などしていなかっただろう。

そう考えると背筋が凍った。
横に居たアッシュも、同じく顔を青くしていた。

⏰:09/04/13 14:26 📱:W53T 🆔:jBgRu5ng


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