Color of sadness
最新 最初 🆕
#3 [安曇]
▼アンカー

>>4-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

とりあえず500まで。

⏰:09/02/25 23:03 📱:W53T 🆔:EOSnd3U.


#4 [安曇]
(1)



フレリア騎士団領の中央にある森の中。

大人三人分程の高い柵に囲まれた、大きな建物『砦』があった。広い庭と建物を合わせれば、何百人もの人が入れる広さだろう。


その砦内と庭には二、三百人ものフレリア騎士団の訓練生達が、緊張した面持ちで、それぞれ待機していた。

⏰:09/02/25 23:14 📱:W53T 🆔:EOSnd3U.


#5 [安曇]
そんな緊張感の漂う中、二人の少女と、一人の少年は呑気に話をしだす。


「皆緊張してるみたいだね」


建物の入口の前に立つ三人。

コノエは少し短めな前髪を触りながら口を開いた。彼女の言葉に、赤髪の双子、リーネとアッシュは落ち着きの無い他の訓練生達を見る。

⏰:09/02/25 23:22 📱:W53T 🆔:EOSnd3U.


#6 [安曇]
「だね〜。まあ、今日は私達にとってかなり大事な日だし、仕方ないんじゃない?」

「…仕方ないって…緊張しないコノエと姉ちゃんがオカシイんだって…」

「何だとー!お姉さんに向かってオカシイって何よ!」



ただでさえリーネの声は耳に響くと言うのに、この静か過ぎる砦には余計に大きく響いた。

⏰:09/02/25 23:31 📱:W53T 🆔:EOSnd3U.


#7 [安曇]
そんな彼女の声に、訓練生達は皆「静かにしろ」と注意するかのように目を向けてきた。
リーネは皆からの視線に耐えられず、直ぐに頭を下げる。


「…もうっ、皆して睨まなくたっていいじゃない…」


しょんぼりとするリーネを励ましてやろうと、コノエは彼女の肩を軽く叩こうとした。

だが自分の後ろで腕組みをしながら立つ人物に気付き、瞬時に伸ばした手を引っ込めた。

⏰:09/02/26 01:50 📱:W53T 🆔:XKzTGs0w


#8 [安曇]
「貴方達、呑気に喋ってないで少しは集中しなさい!」

白に近い、金色の長い髪の女――フレリア騎士団の副団長、アメリだ。

アメリは眉を寄せ、三人を叱咤する。


「もうすぐ敵が此処を攻めて来るというのに……リーネ、貴女の持場は此処ではないでしょう!射手は砦の三階か屋上で待機!!」

「はっ、はい!」

⏰:09/02/26 02:31 📱:W53T 🆔:XKzTGs0w


#9 [安曇]
得意の武器である弓矢を持ち直し、リーネは駆け足で自分の持場へと戻って行く。
残った二人もアメリに何か言われる前に、庭に居る訓練生達の中へとバラバラに入って行った。




コノエは先程まで呑気に会話をしていたが、緊張してないわけではないのだ。

ジッとしていると落ち着かない。皆と全く同じ状態だった。

⏰:09/02/26 12:38 📱:W53T 🆔:XKzTGs0w


#10 [安曇]
腰に佩した剣へと一度目をやり、少しでも緊張をとく為に息を吐き出す。

そんなコノエの横から、彼女を呼ぶ声がした。


「コノエちゃん」


横を向けば、そこにはコノエより三つ年下のエアが居た。
まだ幼いエアは、皆から妹のように可愛いがられている少女だ。もちろん、コノエも例外じゃない。

⏰:09/02/26 12:40 📱:W53T 🆔:XKzTGs0w


#11 [安曇]
「どうしたの?」

「ううんっ。ただコノエちゃんに会いたかっただけだよ!」


緊張しているのが、一目見ただけで分かる。それでもニコリと笑って見せるエアに、コノエは感謝した。
いつもコノエが緊張した時、毎回エアがそれをほぐそうとしてくれるからだ。


「頑張ろうね、エア」

「うん!」


エアの返事が返ってくると同時に、門の方から大声があがった。

⏰:09/02/26 22:53 📱:W53T 🆔:XKzTGs0w


#12 [安曇]
「もう直ぐそこまで敵が来ています!数はたぶん、僕らの倍…いや、それ以上…!!」


皆に聞こえるように叫び、門から入って来たのは偵察部隊の者達だった。
その報告を聞いた訓練生達が、一斉にどよめく。


「…おい聞いたか?俺らの倍だってよ…」

「ど、どうしよう…っ」

⏰:09/02/27 02:56 📱:W53T 🆔:tBSa.sjo


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194