黒猫の棲むところ
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#142 [イリア]


七「なんか…おとぎ話みたい」


猫「現実だけどね」


狐「そう、まさしく現実。
僕らが生きてる世界だ。
―…だから僕らは今まで」


雲が出る。
もう一雨きそうな曇天。

⏰:09/03/23 14:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#143 [イリア]



狐「――……雨原一族を、
見つけしだい…殺してきた」





え…

いま何て…

⏰:09/03/23 14:03 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#144 [イリア]


狐「大丈夫、まだ続きがあるんだ。

もう何百年も昔から、
妖と人間は、戦い続けてきた。

共存なんて無理だ。
妖を人間を喰らうし、
人間は妖を恐れ殺す。

…僕ら半妖は一応、
妖側として戦争に参加していた。」

⏰:09/03/23 14:03 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#145 [イリア]


七「………」

狐「ずっと…ずっと、ね?
そこで少しずつ、
頭角(トウカク)を表してきたのが
雨原一族。君の一族だ。」

⏰:09/03/23 14:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#146 [イリア]


七「私の…?」


狐「妖にとっての最大の弱点。
雨を呼ばれ、妖は一時期
本当に滅亡しかけた。だけど」


七「…だけど?」

⏰:09/03/23 14:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#147 [イリア]


狐「…あるとき急に、
雨原一族が妖側に言ったんだ。

【そちらで丁重に扱って頂けるなら
私達、雨原一族は妖側に立ちます】

…って、ね。」

⏰:09/03/23 14:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#148 [イリア]



ポツポツ…


少しずつ、雨が降り出す。
黒猫さん、狐さん
大丈夫なのかな?

⏰:09/03/23 14:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#149 [イリア]


狐「そうして、雨原一族は
僕らの君主になった。
……雨だ、場所を変えよう」


猫「…いや…」


七、狐「?」

⏰:09/03/23 14:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#150 [イリア]


猫「ここで、話してしまおう。
どちらにしろ早く話さないと
そろそろ麗(レイ)が気づく」


狐「麗ちゃん嗅覚いいもんねー
もうバレてるかも…で、
どこまで話したかな?
あ、そうそう。それで数十年は
うまくいってた。」

⏰:09/03/23 14:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#151 [イリア]


七「…どうして雨原一族は
人間を裏切ったんですか?」


狐「―…さぁ…それは僕らにも
分かんないな。」



そう言った狐さんの横顔は
何故か少し寂しそうだった。

⏰:09/03/23 14:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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