黒猫の棲むところ
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#279 [イリア]



狼「やかましい!麗以外!!

―…大体、
どうしてこんなところに
雨原が…」





キッ!

麗さんが狐さんを睨む。

⏰:09/03/25 12:59 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#280 [イリア]



麗「狐ッッ!!!!」

狐「え?僕?」


麗「当たり前だ!
何のつもりか知らないが、
こんな奴拾ってくるなんて
お前以外に――…「俺だよ」」


黒猫さんの声が
麗さんの言葉を遮る。

⏰:09/03/25 13:00 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#281 [イリア]



麗「―…猫が?」

猫「俺が、拾った。
正確にはスカウトした、だけど。
狐は関係ない」



麗「――……スカウト…?」



麗さんの声が
さっきより2オクターブは
低くなる。

⏰:09/03/25 13:01 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#282 [イリア]




……うん、なんか。

なんかもの凄い
勘違いをされてる気がする。



⏰:09/03/25 13:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#283 [イリア]



七「で、でも私…」


狼「貴様ぁ!
何故今更女をスカウト?!
確かにうちの劇団に女は少ないが、
麗さえいれば特に不都合はな…」


麗「…ご不満、ってわけだ」


⏰:09/03/25 13:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#284 [イリア]



雨はさっきよりも緩くなり
雨音に邪魔をされることのない
麗さんの声は、
全てが耳に響いてくる。


⏰:09/03/25 13:03 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#285 [イリア]



麗「…そういうことでしょ、猫。
私が最近 本番での失敗が多いから
新しい子を連れてきた…

いいわよ別に、仕方ないわ。
情だけで役が貰えるほど、
甘い劇団は嫌い。」


狼「何を言う!
失敗なんてまったく…」

麗「黙ってよ、狼。」


⏰:09/03/25 13:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#286 [イリア]



狼「いや黙らん!!
猫!!お前が連れてきた女と、麗。
どちらの演技が
この劇団に相応しいか、
今から勝負をしよう!!!!」


⏰:09/03/25 13:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#287 [イリア]



――……ちょっと、ちょっと、
ちょっと、ちょっと、ちょっと。

何か話がおかしな方向に…


私は誤解を解いて欲しくて、
黒猫さんのほうを見る。


⏰:09/03/25 13:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#288 [イリア]




クスッ…


私と目が合うと黒猫さんは
それこそ女性と見間違うほど妖艶に、
私に微笑んだ。


⏰:09/03/25 13:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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