黒猫の棲むところ
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#283 [イリア]



七「で、でも私…」


狼「貴様ぁ!
何故今更女をスカウト?!
確かにうちの劇団に女は少ないが、
麗さえいれば特に不都合はな…」


麗「…ご不満、ってわけだ」


⏰:09/03/25 13:02 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#284 [イリア]



雨はさっきよりも緩くなり
雨音に邪魔をされることのない
麗さんの声は、
全てが耳に響いてくる。


⏰:09/03/25 13:03 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#285 [イリア]



麗「…そういうことでしょ、猫。
私が最近 本番での失敗が多いから
新しい子を連れてきた…

いいわよ別に、仕方ないわ。
情だけで役が貰えるほど、
甘い劇団は嫌い。」


狼「何を言う!
失敗なんてまったく…」

麗「黙ってよ、狼。」


⏰:09/03/25 13:04 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#286 [イリア]



狼「いや黙らん!!
猫!!お前が連れてきた女と、麗。
どちらの演技が
この劇団に相応しいか、
今から勝負をしよう!!!!」


⏰:09/03/25 13:05 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#287 [イリア]



――……ちょっと、ちょっと、
ちょっと、ちょっと、ちょっと。

何か話がおかしな方向に…


私は誤解を解いて欲しくて、
黒猫さんのほうを見る。


⏰:09/03/25 13:06 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#288 [イリア]




クスッ…


私と目が合うと黒猫さんは
それこそ女性と見間違うほど妖艶に、
私に微笑んだ。


⏰:09/03/25 13:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#289 [イリア]



何この笑い…

もしかして……




すると黒猫さんは少しかがみこみ、
私の耳元で小さな声を出す。


⏰:09/03/25 13:07 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#290 [イリア]











猫「――…ご自分の紹介は

ご自分でどうぞ、姫」


⏰:09/03/25 13:08 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#291 [イリア]



その甘く優しげな
舞台用であろう声に
思わず顔が赤らむ。



って違うでしょ!//
誰が姫だよ!///

しかもスカウトなんて言うから
二人とも変に誤解して―……


⏰:09/03/25 13:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#292 [イリア]



狼「……ィ…おい!聞いてるか女!
勝負の内容は――ッッ!!」


言えってか。
私に言えってか!///

相変わらず黒猫さんは
心底おかしそうにしながら
私を見つめている。


⏰:09/03/25 13:09 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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