黒猫の棲むところU
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#136 [イリア]
男「関係なくはないでしょー♪
記憶はなくても、雨原なんだし?
別に個人的な恨みはないけど、
何かさ…雨原一族って
嫌いなんだよねー」
麗「……何言ってんの……
血は止まってるの?
止血はしてるの?」
:09/04/05 02:52 :W61P :☆☆☆
#137 [イリア]
麗さんの声で初めて気づく。
さっき噛まれた傷は
今も熱を持っていた。
耳に近いせいか、
ドクドクと、血の流れる音がする。
:09/04/05 02:53 :W61P :☆☆☆
#138 [イリア]
男「……やけに雨原のこと、
気にかけるのね〜……
止血?してるわけないじゃん。
思いっきり噛んじゃったから、
まだ血も止まってない。」
麗「……何で…こんなことするの……」
男「聞きたい?最後だし、
教えてあげようか?」
:09/04/05 02:53 :W61P :☆☆☆
#139 [イリア]
私のそばにいた男が一人、
麗さんに近づく。
男「俺たちさぁ、麗ちゃんの読み通り…
――………妖側の、スパイなの。」
麗「………ッッ!!」
:09/04/05 02:54 :W61P :☆☆☆
#140 [イリア]
男「半妖と妖が仲違いした日、
俺たちは妖に雇われたんだよね。
妖側に危害を加える恐れがないか
半妖の動きを観察…
移動場所をあらかじめ
妖側に伝えといて、
奇襲をかけさせたりもした」
:09/04/05 02:56 :W61P :☆☆☆
#141 [イリア]
麗「……………ッッ!!…」
七「―――……??」
麗さんの目からは、涙がこぼれていた。
:09/04/05 02:56 :W61P :☆☆☆
#142 [イリア]
男「あはは!!泣くほど悔しい?
そりゃそうか、あんたら
アスタリスク劇団の移動ルートも
妖たちに流してたから♪
………結構減ったもんねぇ?数?」
麗さんの涙が頬を伝い、
コンクリートの上に落ちる。
:09/04/05 02:57 :W61P :☆☆☆
#143 [イリア]
七「――…??どういう……??」
必死に声を絞り出す。
麗さんは今、何で泣いているの?
:09/04/05 02:57 :W61P :☆☆☆
#144 [イリア]
男「あー新入りちゃんには
分かんない?あのね、
もともとこの世界には
半妖組織が二つあってね。
アスタリスク劇団と、オリオン劇団。
劇団は違っても、各地で妖と戦う
仲間だったわけだよ、だけど…」
:09/04/05 02:58 :W61P :☆☆☆
#145 [イリア]
――……アスタリスク劇団はご覧の通り
もう一つの半妖組織、
オリオン劇団と合併することになりました。
理由はたび重なる妖との戦いで
半妖の数が減っちゃったから――…
昨日の狐さんの言葉が頭に響いた。
:09/04/05 02:58 :W61P :☆☆☆
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