黒猫の棲むところU
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#210 [イリア]



麗「―…あんたって本当、初心者。別に私たちが意味もなく、劇団稼業してると思ってる?ただでさえ妖との問題で忙しいってのに。本当は大人しくしときたいわよ。」


七「……?……じゃあ何で、わざわざ目立つようなことするんですか……?」


⏰:09/11/30 20:32 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#211 [イリア]


麗「…あいつら(妖)は……獣だからね、私たち(半妖)が身を潜めてると誰彼構わず襲い出す。血がそうさせる、止められないの。
……わざと、目立ってるのよ。関係ない人間への、被害を減らすため…そして何より、凶悪な妖の情報を集めるため……ま、他にも色々あるけどね……」


麗さんが止まっていた手を動かし、また濡れた髪をタオルでふく。


⏰:09/11/30 20:33 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#212 [イリア]



麗「て、あんたと話してる暇なんてないの!!あと何分?衣装かして!!」


狐「きゃー☆麗ちゃんったら、すっかり先輩っぽくなっちゃって☆生きてるうちに君の心の成長が見れて、僕 し あ わ …」


⏰:09/11/30 20:33 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#213 [イリア]


麗「邪魔、狐」


衣装「さぁさ!レディーのお着替えの時間ですわよ!男性の方は、ご退室願いますわ!!」


狐「ちぇ、別に麗ちゃんの裸なんて見慣れてるって。小さい頃、誰がお風呂にいれてあげてたと思って……」


麗「あんたに入れてもらった覚えはない!!」

⏰:09/11/30 20:34 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#214 [イリア]


ガンッ!!!


麗さんが出ていく狐さんに向かって、近くにあった箱を投げつける。


……こ、怖い……汗


狐さんの「急いでね〜〜」という、いつも通りのおちゃらけた声が遠くに聞こえる。

⏰:09/11/30 20:35 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#215 [イリア]


衣装「サイズ、大丈夫ですね?」

麗「えぇ、ありがと」


振り向くとそこには、美しい衣装を纏(マト)った綺麗な人が立っていた。

⏰:09/11/30 20:35 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#216 [イリア]


衣装「お化粧のほうなんですけど、麗さん。時間が……」


麗「仕方ないわ、前半はすっぴんで。今回の劇場は客と少し離れてるし、バレやしない。休憩の時にするから、用意だけしといて。」


衣装「はい。」


扉の向こうから、麗さんを呼ぶ声がする。

⏰:09/11/30 20:36 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#217 [イリア]



衣装「時間です!麗さん早く!」


麗「……えぇ」



そう言うと衣装さんたちは、足早に部屋を出ていった。


⏰:09/11/30 20:36 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#218 [イリア]




七「…頑張ってくださいね、麗さ…」




言葉につまる。
目の前の綺麗な人は……微かにだけど、震えていた。


⏰:09/11/30 20:37 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#219 [イリア]



七「……麗さ…っ!」




麗「もひとつ、あったわ」


私の声が、麗さんによって遮られる。


⏰:09/11/30 20:38 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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