黒猫の棲むところU
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#242 [イリア]



『……lady's and gentleman!!今日は我がアスタリスク劇団の竜ヶ森講演にお越し戴き、誠に、誠に有難う御座います!!御来場なさって下さった美しい姫、紳士な御君全員に、夢のような時間が訪れることを祈りつつ……


――……あぁ、残念。私(ワタクシ)はそろそろ、夢から覚める時間のようです。……それでは皆様…――……後程。』


⏰:09/11/30 22:19 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#243 [イリア]



―――――ガチャッ……




そう言うと舞台の上の綺麗な男性は―…


…玩具のように、膝から崩れ落ちた。


⏰:09/11/30 22:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#244 [イリア]



七「…え…っ…?」


その少しの間の演技力に、私以外の観客もざわめきたつ。

また照明が消え、同時に軽やかなステップの音楽が鳴り始める。



タタタッタッタ♪タタタッタッタ♪


⏰:09/11/30 22:20 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#245 [イリア]



七「……凄い……今の人、台詞もですけど、演技力…ほんとに人形みたいでした!!それに凄く綺麗な人だし!!この劇団って、ほんと…美人さんが多いですねっ!!」


⏰:09/11/30 22:21 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#246 [イリア]



狐「あの子は劇団人気ナンバー3だからねぇ…。あ、後この舞台の演名は『カラクリ・四重奏(カルテット)』捨てられた玩具たちと、大人になれない子ども達の話だよ。ちなみに脚本は ぼ く ☆」


七「凄い凄い凄い!!」


⏰:09/11/30 22:22 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#247 [イリア]


興奮する私を横目に、狐さんが優しく笑う。


狐「……怖い思い、させちゃったね」

七「……え…?」

狐「大まかなことは、さっき狼くんから聞いたよ。あの男たちの処分は、責任持って僕がするから……」

七「……あの…っ…」

狐「?」

⏰:09/11/30 22:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#248 [イリア]



七「…泣いて…たんです、さっき…あの人たち…確かに、麗さんにしたことは許されない…けど…何で…」

狐「……何で、泣いてたかって?」

七「はい…」


狐「…さぁ…はっきりしたことは分かんないけど、……妖は、卑怯だからねえ…」


⏰:09/11/30 22:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#249 [イリア]



七「……?」


狐「ううん…何でもない。とりあえずあの男たちはいま折檻(セッカン)してるから。この舞台が落ち着いたら、詳しく聞き出すよ…もしかしたら」


七「?」


⏰:09/11/30 22:23 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#250 [イリア]









狐「――……雨原一族のことも、聞けるかもね……?」


⏰:09/11/30 22:24 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#251 [イリア]



狐さんの瞳が曇る、


なんて、返事すればいいのか。


こんなとき私は、何の言葉も思いつかない。


そうだ私、なにも覚えていないんだった。


⏰:09/11/30 22:25 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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