黒猫の棲むところU
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#81 [イリア]



ファンの追っかけが、
鬱陶(ウットウ)しいから。


猫さんにそう聞くのは、

まぁもう少し先の話。


⏰:09/04/04 01:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#82 [イリア]



地図通りに歩く。
雨は心なしか、大分ましになってきた。


七「良かったー!!
だいぶ小雨になってきた…っていうか
昨日も今日も、よく雨降るよね…ん?」


⏰:09/04/04 01:13 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#83 [イリア]



独り言を言いながら考える。

そういえば私、雨原一族だっけ?


狐さんが言うには、
確かこの一族の人たちは
雨に関する何らかの力を持ってて…

雨を呼んだりできるから、
妖や半妖たちは雨原一族を嫌ってる。


それで私は、雨原一族…


⏰:09/04/04 01:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#84 [イリア]



……もしかしてこの雨って私のせい?


いやいや、でも何も覚えてないし。


そもそも私が本当に雨原一族なのかも
私からしたらよく分かんないし。


⏰:09/04/04 01:14 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#85 [イリア]




足をとめ、空を仰(アオ)ぐ。



⏰:09/04/04 01:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#86 [イリア]



…私は何で、
劇団に入れてもらえたんだろ。

私が本当に雨原一族なら、
そこに帰ったほうがいいのかな?

それに、どうして妖と半妖は
仲が悪いんだろ。





――……あの、夢の中の私は何だろう。


⏰:09/04/04 01:15 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#87 [イリア]



深い闇と、甘い血の香り。

そんな中で幼い私は、
確かに微笑んでいた。


隣にいた男の子は誰だろう…
小さい手を繋いで、
楽しそうにあの唄を歌っていた。


⏰:09/04/04 01:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#88 [イリア]







――……僕は君を、守りたい。




男の子の声が頭に響く。
顔はぼやけていて思い出せない。


⏰:09/04/04 01:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#89 [イリア]



夢と現実は繋がってる―……

猫さんの言った通りなら、
夢の中の男の子は
今どこにいるんだろう?




まぁ守ってくれるったって…


⏰:09/04/04 01:17 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#90 [イリア]



――……俺が、守る。


初めて逢ったとき、
初めて助けて貰ったとき、
森の中で、猫さんに言われた。






七「……私は、猫さんに
守ってもらうんだけどね」


⏰:09/04/04 01:18 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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