黒猫の棲むところU
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#112 [イリア]



七「……………」


聞き間違い?
確かに、麗さんの声だったと思うけど…


でも、もうすぐ舞台の始まる時間だし
もしかしたら―――………


⏰:09/04/05 02:34 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#113 [イリア]



七「………麗さん………」


男「あーッ!!いたいたッ!!!!」


七「?」


振り返ると、知っている顔が二つ。


⏰:09/04/05 02:34 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#114 [イリア]



男「七衣ちゃんだっけぇ?

俺らのこと知ってるぅ〜?」


語尾を上げる癖が耳につく。
猫さんの声と、真逆の音。


⏰:09/04/05 02:35 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#115 [イリア]



七「……昨日、森で
麗さんと話してた…」


男「ピンポーンっ♪♪
元オリオン劇団でぇ、合併されて
アスタリスクの一員になったんだよ☆

宜しくねえ〜♪」


⏰:09/04/05 02:35 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#116 [イリア]



七「――…何であなた達が、
ここにいるんですか?
舞台の手伝いをしてって、
狐さんが言ってたじゃないですか…」


嫌な予感がする。

さっき抱いた微(カス)かな期待が、
頭の中から消えてなくなる。


⏰:09/04/05 02:36 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#117 [イリア]



七「―……さっき文房具屋の前で…
麗さんの声、してませんでした?

……麗さん近くにいるんですか?」



男「さぁ〜ね〜?どう思う?」


⏰:09/04/05 02:36 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#118 [イリア]


七「―……ッッ!!ふざけないで下さい!!
麗さんいるんですか?!何で??!!
昨日のことだって……
どこにいるんですか??!!
早く言わないと、誰か人を―…ッッ!!」


男「黙れよ雨原ぁ〜」


七「!!」


後ろから羽交い締めにされる。
気がつかないうちに、
後ろにもう一人いたらしい。

⏰:09/04/05 02:38 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#119 [イリア]



七「離して下さいッッ!!!!」


男「あんたってさ、いっつもそうなの?
誰か人をってさ、あんたは?

あんたは何もしない訳?」


七「――……ッッ!!」


⏰:09/04/05 02:38 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#120 [イリア]



男「昨日も森で、
あんたが狼を呼びにいったんだろ?
何ですぐ飛び出して来なかったの?

本当に麗のこと好きなら、
なりふり構わず、
飛び出してくるっしょ〜」


⏰:09/04/05 02:39 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#121 [イリア]



考える。

思い出す。


昨日、私は森で
かなわないと思ったから
狼さんを呼びに行った。


震えてる麗さんを残して。


⏰:09/04/05 02:39 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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