黒猫の棲むところU
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#15 [イリア]



少年は笑う。

扉の外にいた子よりは年上に見えるが
それでも16、17くらいだろう。


⏰:09/04/01 22:43 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#16 [イリア]



凪「…そう言うわけにはいきません…
葵様、その血――………ッッ??!!!」



葵という少年の体を見た瞬間、
凪夜と呼ばれた子の声色が変わる。


⏰:09/04/01 22:44 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#17 [イリア]



葵「あぁこれ?」


そう言って灰色の少年は
腕で左頬を拭(ヌグ)う。

シルクのような滑らかな衣類に
少年の頬の朱がつく。


⏰:09/04/01 22:45 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#18 [イリア]



凪「どうされたのですか…誰に…ッッ!!」






葵「凪夜」


言葉を途切らせる。


⏰:09/04/01 22:45 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#19 [イリア]



葵「違うよこれ、返り血。
僕の血じゃない」


少年が笑う。


凪「…ッッ…取り乱し…失礼しました」

息も淫らに、
凪夜は葵に、深々と頭を下げる。

葵「ううん、嬉しい」


⏰:09/04/01 22:46 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#20 [イリア]



そう言うと灰色の少年は
窓辺からゆっくり立ち上がり、

凪夜と呼ばれた子の元へ歩く。


⏰:09/04/01 22:47 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#21 [イリア]



葵「嬉しいんだよ、凪夜。
僕を心配してくれるなんて…

そんなの”ナナ”だけかと思ってた」



葵は細く白い手で
凪夜の頬に軽く触れる。


⏰:09/04/01 22:48 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#22 [イリア]









葵「有難う、凪夜。」


⏰:09/04/01 22:48 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#23 [イリア]



サ――――…………


風が吹く。

開け放たれた窓から入る風は
部屋の中の二人に冷たさを与える。


⏰:09/04/01 22:48 📱:W61P 🆔:☆☆☆


#24 [イリア]



葵「寒い?」


凪「いえ…」


葵「そう?僕は寒いとか
あんまり分かんないからさ」


少年はそう言いながらも
窓辺まで戻り、静かに窓を閉めた。


⏰:09/04/01 22:50 📱:W61P 🆔:☆☆☆


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