黒猫の棲むところU
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#183 [イリア]
麗「―…ッだから…!」
猫「…どうでもいいけど」
猫さんの声が、
二人の言い合いを遮る。
:09/11/29 13:25 :W61P :☆☆☆
#184 [イリア]
猫「お前ら時間分かってる?
あと何分で講演始まると思ってんの
しかも雨濡れて、声出にくいし
今頃 狐が血眼になって
俺たち探してるのが目に浮かぶ…」
男「―……ハッ……」
:09/11/29 13:26 :W61P :☆☆☆
#185 [イリア]
額の血を拭いながら、男が声を漏らす。
男「大変だなおい、劇団のトップスターさんはよ…こんな状況でも講演の心配か、…黒猫…ハハッ」
嘲笑じみたその笑いに、また狼さんの顔が歪む。
:09/11/30 00:59 :W61P :☆☆☆
#186 [イリア]
狼「―…こんな状況にしたのは誰だ?」
男「…ふふふ、それでもお前達は…俺達を殺さないだろう?生かすんだろう?…優しいな……でも」
止まることのない男の血は、地面に滴り、土に消える。
:09/11/30 00:59 :W61P :☆☆☆
#187 [イリア]
男「――……その優しさが、仲間を殺したんだ。そうだろう麗?気づいたときに、もっと意味ある行動を起こせば良かった。なのにお前はちんたらちんたら俺達を説得しようと…結果は、ほら。お前らの仲間が…」
――ガッ!!
狼さんの足が、男を勢いよく蹴りつける。
:09/11/30 01:00 :W61P :☆☆☆
#188 [イリア]
狼「それ以上一言でも喋ってみろ……今、殺す。」
狼さんのその瞳に、昨日までの優しさはない。
七「――……狼さん……」
:09/11/30 01:00 :W61P :☆☆☆
#189 [イリア]
猫「……プロ、だからね」
猫さんの声に、振り向く。
猫「俺も、狼も、……麗も。中途半端なことはできないんだ。余計な噂は立てられない……これ以上、な。」
猫さんが私を見る。意味ありげな猫さんの視線に、思わず首を傾げる。
:09/11/30 01:01 :W61P :☆☆☆
#190 [イリア]
男「……俺達を…殺すか?猫…」
猫「……まさか。狐(キツネ)に要相談ってとこかな。知ってる情報は全て吐いてもらう。…お前らの仕える、『妖(アヤカシ)』について…な。ただ、麗のこともあるし、命の保証まではできないんじゃない?」
男「…ハッ…甘いな…お前らは今、耐えられるのか…」
:09/11/30 01:02 :W61P :☆☆☆
#191 [イリア]
ポツ..ポツ..
雨は降り止まない。
ああ、本当にみんな、大丈夫なのかな。
男「仲間を…売ったのに……」
:09/11/30 01:02 :W61P :☆☆☆
#192 [イリア]
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男「…本当に…甘い……」
七「………?」
:09/11/30 01:03 :W61P :☆☆☆
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